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スポーツ界に打撃 五輪準備にも影 ナショナルトレセン使用停止

さまざまな施設の並ぶ味の素ナショナルトレーニングセンター。手前が西が丘サッカー場、奥右からNTC、JISS、NTCイースト=3月18日、東京都北区(本社ヘリから、彦野公太朗撮影)
さまざまな施設の並ぶ味の素ナショナルトレーニングセンター。手前が西が丘サッカー場、奥右からNTC、JISS、NTCイースト=3月18日、東京都北区(本社ヘリから、彦野公太朗撮影)

 多くの競技団体が強化拠点とする東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンター(NTC)と国立スポーツ科学センター(JISS)が使用停止となることが7日、分かった。新型コロナウイルスの急速な感染拡大による政府の緊急事態宣言の発令下では、練習場所の確保は困難とみられる。スポーツ界の選手強化プランも大きな停滞が避けられなくなった。

 開幕がほぼ1年延期され、計画の見直しが急務となった東京五輪・パラリンピックの開催準備にも響きそうだ。約3800人の職員を抱える大会組織委員会は宣言を踏まえ、原則としてテレワーク(在宅勤務)に切り替える方針を決めた。

 すでに部署単位ではテレワークや出勤者数を絞るなどの対応を取ってきたが、組織委幹部は「組織として徹底する」といい、必要不可欠の業務に限り、所属長の許可を得た上で出勤を認めるとしている。

 当面の優先課題は、43競技会場など関連施設の再度の確保。だが、施設側もテレワークへの移行が見込まれ、難しい交渉を迫られそうだ。武藤敏郎事務総長は「多少の遅れは取り戻せるが、間に合わなくなる恐れもある。注意しないといけない」と話している。

 NTCやJISSの使用が停止される方向となり、東京大会を目指すアスリートにとっては、練習場所の確保がさらに難しくなる。バドミントンや卓球は2008年1月のNTC開設で強化拠点を得たことが、その後の世界選手権、五輪でのメダル獲得につながった。陸上関係者は「大学の施設も使えなくなりそうで、練習する場がない」と悲痛な声を上げる。

 橋本聖子五輪相は7日の閣議後の記者会見で「「多くのアスリートが自宅などでトレーニングを継続している。精神的な部分でも大変な状況と思う」と述べ、練習環境の確保などに各競技団体と連携して取り組む考えを示した。

 今後の代表選考大会については「緊急事態宣言の中で状況を見極める必要が出てくる」とし、国内外の選手側の状況を踏まえながら日程を決めるよう競技団体に要望した。

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