鉄道ホビダス

名残の安比奈へ...。

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▲終点の安比奈停車場への最初の分岐。樹木の太さが半世紀にわたる"休止"の歳月を物語る。画面前方が南大塚方。なお、安比奈構内の分岐はすべて8番ポイントが用いられていた。'16.2.21
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先日の安比奈線"廃線"の報は広く反響を呼び、思い出を語られるメールもいくつか頂戴しております。安比奈線といえばトワイライトゾ~ンのまさに原点。そこで感謝の念も込めて、私ももう一度現地へと足を運んでみました。

20160223192205-0c5f700cf602778818fc261f44df2df05acea811.jpg新宿線南大塚駅北口横から続く安比奈線の軌道は、現在ではその多くが柵に囲まれて、基本的には立ち入ることができなくなっています。国道16号線までの500mほどの区間も同様で、かつては住宅の裏庭といった雰囲気で、洗濯物干しやら縁台やら鉢植えやらに埋め尽くされていましたが、今ではすっかり整備されて雑然とした雰囲気はまったくありません。さらに周囲の住宅自体もすっかり建て替えられ、30㎏/mレールの"貨物線"と奇妙なミスマッチを見せています。


▲南大塚駅(橋上駅)から見た安比奈線の分岐。右奥に見える2000系は新宿線下り列車。なお、南大塚駅本屋は橋上駅化前は現在より下り方にあった。'16.2.21
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▲国道16号線(前方のトラックが走っている道路)との交差部。国道部分にはすでにレールはないが、長年懸案だったこの交差も鉄道側の廃線というかたちであっけなく幕を閉じる。'16.2.21
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▲南大塚から国道16号交差部までは住宅街の中を進む(左)。国道16号踏切跡には警報機のものであろうか台座が残る(右)。'16.2.21
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安比奈線最大の見どころは池辺周辺で、雑木林を直線で貫くシーンは、安比奈線そのものを超えて"廃線"を象徴する光景として多くの出版物に登場してきました。現在でもその幻想的な情景は変わっていませんが、立入禁止区域となって柵が設けられています。池辺用水橋梁から八瀬大橋付近までも立入禁止となっていますが、途中何カ所か一般道が横断する箇所があり、そこから観察することが可能です。ただし、この周辺はマムシが出没するとのことで注意喚起の札も立てられており、その面での注意も必要でしょう。

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▲池辺付近の直線には春の息吹きが感じられた。この区間には溝橋も残されており、公道からつぶさに観察することができる。'16.2.21
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▲かつては地域住民の通路としても使われていて立ち入ることのできた池辺の森は現在では立入禁止。それでも柵外から安比奈線を象徴するトワイライトな情景を味わうことができる。'16.2.21
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▲西武鉄道主催のウォーキングイベント(アーカイブ「"西武安比奈線を歩く"開催」参照→こちら)の折に整備された池辺用水橋梁(現在は立入禁止)。周辺には武蔵野の原風景が残されている。'16.2.21
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八瀬大橋手前で県道114号線を潜ると、軌道は大きく左カーブを描いて入間川河川敷へと進んでゆきます。この付近は子どもモトクロス場として開放されており、少々エンジン音が気になるものの、自然に還ろうとしている線路を間近に堪能することが可能です。

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▲八瀬大橋手前で大きくカーブをきった軌道はいよいよ入間川の河川敷へと進む(前方が安比奈駅方)。子どもモトクロス場として開放されている区間にも線路はしっかりと残されている。画面前方の橋は水路橋。'16.2.21
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"休止"となってから半世紀近く、いつまでも見られると思っていた光景も、ついに歴史の彼方へと旅立ってしまう時がやってきたようです。この日も廃止の報を知ってお出でになったのか、数時間で5~6組のファンの方を見かけました。
間もなく芽吹きの季節。安比奈が最も輝きを増す季節です。最後のトワイライトゾ~ン探索にお出でになってみてはいかがでしょうか。

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