特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER
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『特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER』(とくそうせんたいデカレンジャー テンイヤーズアフター)は、2015年10月7日にリリースされたオリジナルビデオ作品である。略称は『デカ10』[1][2]。
概要[編集]
『忍風戦隊ハリケンジャー 10 YEARS AFTER』に続く、スーパー戦隊Vシネマ「10 YEARS AFTERシリーズ」の第2弾である[3]。2004年から2005年にかけて放送された「スーパー戦隊シリーズ」第28作目『特捜戦隊デカレンジャー』の続編で、テレビシリーズ終了から10年後の後日談を描く[3][4]。本編時間は47分。
前作『爆竜戦隊アバレンジャー』の同企画が諸事情で実現に至らず、本作品に持ち越される形となった[5]。企画はテレビシリーズのプロデューサーを務めた塚田英明と土田真通が中心となり、まとめられた[1]。テレビシリーズの後に塚田は『科捜研の女』、土田は『相棒』とそれぞれ刑事ドラマを担当していたことから、本作品では本格的な刑事ドラマ寄りの作風が志向された[6][1][7]。企画にあたっては江成仙一役の伊藤陽佑やドギー・クルーガー役の稲田徹もプロットを提出しており、内容の一部が作品に反映されている[6][1]。ストーリーは、テレビシリーズでやっていない刑事ものの要素から「護送劇」が選ばれた[6][1]。荒川稔久による初期のプロットでは、「宇宙検事」の登場も構想されていた[1]。
ロボットやコックピットの映像の一部は、BD-BOX用にリマスターされたテレビシリーズの映像を流用している[6][1]。デカウイングロボを登場させる案も存在したが、尺の都合から実現には至らなかった[6]。
オリジナルキャラクター[編集]
- アサム・アシモフ / ネオデカレッド
- シンボルナンバー:1。ファイヤースクワットに転属したバンの後任として配属された新人刑事。髪に赤いメッシュを入れている。
- 礼儀正しく、先輩に敬意を評し、民間人に優しく接する模範的な刑事。しかしそれは全て演技で、本性は欲深く冷酷で悪ガキめいた性格。レイドリッヒの部下としてムギと共に、刑事のふりをして、地球署の情報を横流ししており、キャリーを囚えてレイドリッヒの元へ連行した。旧デカレンジャー達を「老兵」と見下す。
- 変身の際はスワットモードに直接変身している。
- 最終決戦ではデカレッドに変身してブルー・グリーンと戦い、その際「老兵は消え去るのみ」と言い放つが圧倒され敗北。ムギと共にレイドリッヒのネオハイパーマッスルギアのエネルギーとして吸収されてしまった。
- 名前はアッサムティーに由来する[8][9]。栩原が過去に『仮面ライダー響鬼』で演じていた「安達明日夢(あだちあすむ)」と似ているが名前の方が配役より先に決定しており、栩原が起用された後に「明日夢」とはイントネーションを変えている[8][9]。
- ムギ・グラフトン / ネオデカイエロー
- シンボルナンバー:4。育児休暇中のジャスミンの後任として配属された新人刑事。長く伸ばした髪に黄色いメッシュを入れている。
- アサムとは正反対に先輩に対しても生意気な口を利く。アサムと同じくレイドリッヒの部下で、残虐で欲深い本性を隠していた。
- 変身の際はネオデカレッド同様、スワットモードに直接変身している。
- 最終決戦ではデカイエローに変身してイエロー・ピンクと戦い、彼女らを「オバハン」と罵るが圧倒され敗北。アサムと共にネオハイパーマッスルギアのエネルギーとして吸収されてしまった。
- 名前の由来は麦茶。
- カイト・レイドリッヒ / アリエナイザーX
-
- 身長:188cm(局長時)、218cm(アリエナイザーX時) / 体重:95kg(局長時)、157kg(アリエナイザーX時)」[10]
- 宇宙警察・銀河系管区警察局の局長。甘い蜜が大好物らしい。
- 厳格な局長として振舞っているが、裏ではアリエナイザーXとして宇宙マフィアのキルリアンファミリーと通じて悪事を働いていた。彼の正体に気付いたドギーに重傷を負わせ、さらにミラージュディメンションでドギーに変装して用済みになったマフィアの連中と、たまたま現場にいた一般人(キャリーの父親)を殺害。その罪をドギーに擦り付けた。事件から2年後に現れた目撃者キャリーを始末すべく、地球署に送り込んでいたアサムとムギを使って護送中のキャリーを狙った。しかしバンの作戦によって正体を暴かれ、クローン再生させたアブレラやアサム、ムギを率いてネオハイパーマッスルギアを纏ってデカレンジャーと戦うが敗北、デリートされた。
- 通常の人間に近い警察局局長としての顔と、巨大な角を生やしたアリエナイザーXとしての顔を持つ。アリエナイザーXの顔のデザインモチーフはカブトムシ。
- 名前はドイツ語で「正直」を意味する「Redlichkeit」のアナグラムである[9]。
- キャリー
- 他人の体に潜り込む能力を持つクレメント星人の少女。2年前、父親と共にレイドリッヒの悪行を目撃するが、父親に守られて助かった。重傷のドギーから「警察も信じるな」「信じて良いのは地球署の刑事たちだけだ」と言われ、レイドリッヒの追手から逃れて地球にやって来た。レイドリッヒに命を狙われるがバンの作戦で無事に護送され、ドギーの無実を証明した。
- 企画当初は『どきんちょ!ネムリン』のネムリンのようなぬいぐるみのキャラクターとして考えられていた[9]。
用語[編集]
- ネオデカベース
- 最新技術で建造された新しい地球署で、入り口はデカベースロボの頭部を模している。
- 10年前のエージェント・アブレラが起こしたデカベース乗っ取り事件を顧みて、施設は全て地下に移されている。
- 『宇宙戦隊キュウレンジャー』
- Space.18にて、キュウレンジャーメンバーの取り調べの際に登場。
- ゴワシチョル星
- アリエナイザーのジャッジメントが執り行われる宇宙検察所、及び宇宙最高裁判所が存在する星。
- この星周辺はシオン・モウ・ロス現象で時間の流れの速さが通常の200万分の1となっており、ジャッジメントの10秒間は、およそ8か月となる。
- 名称は検察庁(けんさつちょう)から薩長(さっちょう)を連想し、薩摩と長州の方言を掛けあわせて命名された[6]。
キャスト[編集]
キャストはテレビシリーズのレギュラー陣が再集結した[3][4]。バン役のさいねい龍二は、2015年以降出身地の広島県を拠点にローカルタレントとして活動しているため、東京と往復する必要が生じてスケジュール調整は難航したが、最終的には当初の予定よりも出番が増えた[6][1][7]。アブレラ役の中尾隆聖は『手裏剣戦隊ニンニンジャー』にも出演中であったため、アフレコは『ニンニンジャー』と同日に行われた[1]。
日渡氷狩役もテレビシリーズEpisode7・8と同じく上村祐翔が演じた[6][7]。当初の予定では出番が多かったが、スケジュールの都合から撮影は初日のみの参加となり、氷狩のシーンの一部はジャスミンの描写に移された[6]。
アサム役の栩原楽人は、スーパー戦隊シリーズや仮面ライダーシリーズへの出演経験があり、変身する役を演じていない20代半ばの俳優という条件の中から選ばれた[1]。ムギ役の秦瑞穂は、『轟轟戦隊ボウケンジャー』Task38・『侍戦隊シンケンジャー』第三十六幕・『特命戦隊ゴーバスターズ』Mission43など竹本昇の監督回の常連であり、秦を変身させたいという竹本の要望により起用された[6][1][7]。キャリー役の小林里乃は、塚田英明がプロデューサーを務めた『科捜研の女』や『京都人情捜査ファイル』に出演した縁から起用された[6][7]。
東映公式YouTubeチャンネルに、本作品と『ニンニンジャー』メイン出演者による『なんじゃモンじゃ!ニンジャ祭り!』ダンス映像が投稿されている[11]。
- 赤座伴番 / (ファイヤースクワッド・)デカレッド(声)- さいねい龍二
- 戸増宝児 / デカブルー(声)- 林剛史
- 江成仙一 / デカグリーン(声)- 伊藤陽佑
- 日渡茉莉花 / デカイエロー(声)- 木下あゆ美
- 胡堂小梅 / デカピンク(声)- 菊地美香
- 姶良鉄幹 / デカブレイク(声)- 吉田友一
- アサム・アシモフ / ネオデカレッド(声)- 栩原楽人
- ムギ・グラフトン / ネオデカイエロー(声)- 秦瑞穂
- キャリー - 小林里乃
- キャリーの父 - 筒井巧
- 日渡氷狩 - 上村祐翔
- 白鳥スワン - 石野真子
声の出演[編集]
- ドギー・クルーガー / デカマスター - 稲田徹
- クローン・アブレラ - 中尾隆聖
- イーガロイド - 中井和哉
- マイケル・マイクソン - ささきいさお
- カイト・レイドリッヒ - 小山力也
- ナレーション - 古川登志夫
スーツアクター[編集]
- デカレッド[1] - 福沢博文[注 1]
- 高田将司
- 竹内康博
- デカイエロー[1] - 橋本恵子
- 小島美穂
- 浅井宏輔
- 蔦宗正人
- 内川仁朗
- デカレッド - 渡辺淳
- 蜂須賀祐一
- 神尾直子
- 大藤直樹
- 岡田和也
- 寺本翔悟
- 北村海
- 藤田慧
- 岩上弘数
- ドギー・クルーガー[12] - 日下秀昭
- 大林勝
- 喜多川2tom
- 村岡弘之
- 田中宏幸
- 神前元
- 大岩剣也
- 井口尚哉
- 伊藤茂騎
- 松本拓巳
- 榮男樹
- 御前伸幸
- 田中慶
- 寒川祥吾
- 今井結香子
- 隈本秋生
- 白井雅士
- 下川真矢
- 安永晃
- 小豆畑祐二
- 山口仁美
- 高嵜百花
- 草野伸介
- 関谷健利
- 藍田将太
- 松本直也
- 上平田結花
スタッフ[編集]
脚本はテレビシリーズメインライターの荒川稔久、監督はテレビシリーズ最終話も担当した竹本昇が務めた[3][4][注 2]。竹本は『手裏剣戦隊ニンニンジャー』に参加していたがスケジュール調整を行い、『ニンニンジャー』忍びの7・8の撮影後に本作品へ合流した[6]。
- 原作 - 八手三郎
- エグゼグティブプロデューサー - 加藤和夫(東映ビデオ)
- プロデューサー - 中野剛(東映ビデオ)、塚田英明・土田真通(東映)、矢田晃一(東映エージエンシー)
- 脚本 - 荒川稔久
- 音楽 - 亀山耕一郎
- 撮影 - 岩崎智之
- 照明 - 堀直之
- 美術 - 大谷和正
- 編集 - 柳澤和子
- 録音 - 和久井良治
- スプリクター - 髙山秀子
- 助監督 - 須上和泰、谷本健晋、松井貴
- 制作担当 - 喜多智彦
- ラインプロデューサー - 佐々木幸司
- 制作:東映、東映チャンネル、東映エージエンシー、東映ビデオ
- アクション監督 - 清家利一(ジャパンアクションエンタープライズ)
- 監督 - 竹本昇
音楽[編集]
- 主題歌
- 挿入歌
-
- 「特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTERS」
- 作詞:吉元由美 / 作曲:宮崎歩 / 編曲:京田誠一 / 歌:サイキックラバー
- テレビシリーズのオープニングテーマ『特捜戦隊デカレンジャー』のリメイク。
脚注[編集]
注釈[編集]
出典[編集]
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o 宇宙船150 2015, pp. 96-97, 「[インタビュー]竹本昇」
- ^ キャラクターランド3 2015, pp. 65、67.
- ^ a b c d 東映HM52 2015, pp. 42-45
- ^ a b c 宇宙船150 2015, p. 94, 「特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER」
- ^ 「特捜戦隊デカレンジャー 10 YEARS AFTER」『フィギュア王』No.210、丸山典子、ワールドフォトプレス、2015年8月30日、21頁。ISBN 978-4-8465-3084-6。
- ^ a b c d e f g h i j k l 東映HM52, pp. 52-54, 「CROSS TALK 竹本昇×荒川稔久」
- ^ a b c d e キャラクターランド3 2015, p. 67, 「デカ10プロデューサー対談 塚田英明×土田真通」
- ^ a b 宇宙船150 2015, pp. 96-97, 「[インタビュー]竹本昇」
- ^ a b c d 東映HM52 2015, pp. 52-54, 「DEKARANGER MAIN STAFF CROSS TALK 竹本昇×荒川稔久」
- ^ DVD映像特典・S.P.Dファイル
- ^ (日本語) 【忍ばず踊ってみた】『手裏剣戦隊ニンニンジャー』デカレンジャーとニンニンジャーが一緒に忍ばず踊ってみた. 東映特撮YouTube Official.. (2015年9月25日). 該当時間: 1:08 2016年5月8日閲覧。
- ^ 東映HM52, pp. 48-50, 「CROSS TALK さいねい龍二×林剛史×伊藤陽佑×木下あゆ美×菊地美香×吉田友一」.
- ^ 宇宙船150 2015, p. 93, 「スーパー戦隊 音楽ニュース」.
参考文献[編集]
- 『東映ヒーローMAX』VOLUME 52(2015 autumn)、辰巳出版、2015年9月1日、 ISBN 978-47778-1553-1。
- 『宇宙船』Vol.150(2015年秋号)、ホビージャパン、2015年10月1日、 ISBN 978-4-7986-1099-3。
- 『HYPER HOBBY PRESENTS キャラクターランド』vol.3、徳間書店、2015年10月1日、 ISBN 978-4-19-730136-2。
外部リンク[編集]
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