【社説】中国側に漂流する韓国、その結果に責任を取れるのか

【社説】中国側に漂流する韓国、その結果に責任を取れるのか

 米国のブリンケン国務長官は18日、米国、日本、オーストラリア、インドによる「クアッド」外相会議と米国、英国、フランス、ドイツとの外相会議をいずれも遠隔で行い、中国を牽制(けんせい)する方策について協議した。今のバイデン政権がトランプ前政権の政策で唯一継承しているのが「中国牽制」だ。米国と同盟国は強く結集して対応する戦略まで提示している。中国の習近平・国家主席が覇権を目指す考えを明確にしたことで、今世界では「中共体制」に対する警戒が一気に強まっている。そのため米国はインド・太平洋地域で「クアッド」を拡大する新たな安全保障協力体を立ち上げようとしているが、これに加わらないとなれば、それは米国との同盟関係が弱体化することを意味する。

 ところが韓国外交部(省に相当)の康京和(カン・ギョンファ)前外相は「(クアッドは)良いアイデアではない」と述べた。今の鄭義溶(チョン・ウィヨン)長官も「透明で開放的、抱擁的でなければならない」と条件をつけた。中国を牽制するクアッドには参加しない意向を明確にしたのだ。中国外交部長官は鄭長官と行った最初の電話会談で「イデオロギーによって敵味方を分けることに反対する」と述べ、クアッドに反対するよう圧力を加えてきた。韓国政府はクアッドが話題になると必ずと言っていいほど明確な立場を示さない。韓国は米国中心の経済ネットワーク構築にも否定的で、太平洋における合同軍事演習にも参加しなかった。米国による中国牽制の活動を全て拒否しているのだ。このような態度を取る韓国を米国がどう考えるかはもはや問い直す必要もないだろう。

 つい先日も米国、日本、オーストラリアなど57カ国が中国や北朝鮮などによる恣意(しい)的な外国人拘束を非難する共同宣言を発表したが、これにも韓国は加わらなかった。「人権」という言葉を嫌う北朝鮮や中国の顔色をうかがっているのだ。この結果、韓国は外国人の恣意的拘束に反対しない国になってしまった。韓国の政府・与党が一方的に成立させた「対北ビラ禁止法」に対しては民主主義諸国だけでなく旧共産圏の国からも「表現の自由を侵害している」と批判を受けている。韓国政府は国連人権理事会による北朝鮮人権決議案に今回も加わらないという。かつて「人権弁護士」を名乗っていた大統領が人権問題から顔を背け、逃げ回った末に最終的に反人権の側に立ってしまったのだ。

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