乗馬が盛んな中央アジアのカザフスタンの首都アスタナで12、13両日、弓馬術の伝統がある十数カ国が参加した競技大会「黄金の矢」が開催された。日本とカザフの外交関係樹立25年を記念し、日本古式弓馬術協会のメンバーら14人が招待され、ナザルバエフ大統領の前で武田流流鏑馬を披露した。
在カザフ日本大使館によると、中央アジアで流鏑馬が披露されたのは初めて。
メンバーらはカザフ側から借りた馬にまたがり、直垂やこてを身に付けた射手が的を射ると、会場の競馬場に詰め掛けた観客から大きな拍手が上がった。同協会の豊田重之理事長(70)=東京都あきる野市=は「弓馬術を通じて、両国の関係がさらに盛り上がればいいと思う」と話した。
天下太平や五穀豊穣を祈り鎌倉時代から続いてきた流鏑馬のうち、武田流は主に熊本で伝承され、熊本県重要無形文化財に指定されている。熊本のほかに神奈川県鎌倉市や大津市などで保存・継承活動が続いている。(共同)