【企業スポーツと経営】JXホールディングス(上)野球部 (1/3ページ)

2014.6.30 05:00

昨年、第84回都市対抗野球で2連覇を果たし、駆けつけた社員などファンと喜びを分かち合うJX‐ENEOSナイン。今年は3連覇に挑んでいる=2013年7月23日、東京ドーム

昨年、第84回都市対抗野球で2連覇を果たし、駆けつけた社員などファンと喜びを分かち合うJX‐ENEOSナイン。今年は3連覇に挑んでいる=2013年7月23日、東京ドーム【拡大】

  • 大久保秀昭監督
  • メジャーリーグで活躍する田沢純一投手は、エースとして優勝に大きく貢献。他にもプロ選手を多く輩出している=2008年、東京ドーム

 ■「勝ち続ける」使命を胸に邁進

 JX日鉱日石エネルギーの親会社、JXホールディングスのルーツ企業となる日本石油で「野球部」が創設されたのは1950年。戦後の混乱がどうにか収まり、企業が本格的に事業に取り組み始めたころだ。早稲田大学でエースだった一社員が社長に「お願いです。野球部をつくってください」と“直訴”したところから歴史が始まった。

                  ◇

 当時、日石は労働組合運動が盛んで、従業員間のトラブルがあったりなど、工場内の統一に欠ける面もあった。「健全な労使の一体化、なごやかさを取り戻したい」という強い思いがある中で、野球部創設の話が浮上。役員の間に「野球部をつくり、都市対抗に出場して、社員が応援すれば、ゲームに勝っては喜び、負けては悲しみ合う。一つの目標に全社員がまとまるに違いない。共通の話題が生まれ、労使の融和が図れる」との期待が高まった。最終的には社長の決断で創部が決まった。

 チームづくりは初めてだっただけに苦心した。当時、藤倉電線(現フジクラ)など伝統のある数社の野球部を調べ、意見も聞いた。参考として良いところは取り入れた。そして、まずチームとして礼儀正しくマナーを重視し、選手の採用も人物を優先したという。野球部の基本方針として、「多くの金をかけない。選手は特別扱いをしない」を掲げた。野球部員は、選手である前に社員であり、仕事を優先することとした。だから、大学卒業者は3年間、高卒者は6年間を原則として野球部を退き、社業・勤務に専念させることにした。

 野球部創設に尽力した一人である当時の勤労部長は社員に「野球部に多くの金を使うのでは長続きしない。最初にいいチームカラーをつくる。あくまでも仕事第一。将来は会社の幹部となるという前提でやってもらう。また、労働問題でゴタゴタしているが、従業員みんなで心をあわせて応援しよう」と力説した。

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