日本におけるエアバス

日本はエアバスにとって極めて重要な市場です。そのため、様々な分野においてプレゼンスが高まり、産業界での役割が大きくなっています。

Airbus Helicopters Kobe facility

民間航空機

現在、日本におけるエアバスの顧客は全日本空輸(ANA)、日本航空(JAL)、スターフライヤー、低コスト航空会社(LCC)のジェットスター・ジャパン、Peach Aviationの5社です。

ANAとは長い関係を築いており、最初の発注(A320)は1987年に遡ります。2014年と2015年には合計37機のA320ファミリーを発注しました。A320ファミリーはANAの国内線や地域路線で効率的なサービスを提供しています。2019年1月にはANAホールディングスが18機のA320neoファミリーの購入を発表しました。このA320neoファミリーはPeachによって運航される予定です。2016年にはA380を3機発注し、2019年5月から成田-ホノルル間で運航が開始されました。

2013年にはJALが将来の広胴型長距離機材の主力機として最新鋭のA350 XWBを発注し、エアバスと日本のパートナーシップに新たな時代の幕が開きました。発注されたのはA350-900が18機、A350-1000が13機とオプションの25機で、2019年9月1日に初号機が就航しました。この発注はJALによるエアバス機の初めての発注契約となりました。

急成長を見せている日本のLCC市場では、エアバスが90%以上の市場シェアを獲得しています。現在A320ファミリーがジェットスター・ジャパンとPeach Aviationによって運航されています。低い運航コストと高い快適性を備えたA320ファミリーは、多頻度で運航を行う日本のLCCにとって最適なサービスを提供し、将来的に新路線開設においても重要な役割を担うことができるでしょう。

 

エアバス機は航空会社にとってだけでなく、世界中の航空機リース会社にとっても重要な資産です。世界大手の航空機リース会社であるSMBCアビエーション・キャピタルは、2019年1月にA320neoファミリーを65機発注し、合計発注数を181機に増加しています。

日本の金融市場も、航空会社の競争力を高めるファイナンスを提供するパートナーとして重要であり、日本のオペレーティング・リース事業と銀行はエアバス機ファイナンスの大きな貢献者です。

エアバス・ジャパン株式会社はエアバスの100%子会社です。日本における航空会社、産業協力パートナー、その他主要なステークホルダーとの関係強化に努めています

 

Representation of an in-flight Airbus A350-1000 with Japan Airlines livery.
 

ANAはA380を3機を導入。3機ともハワイ語でHONU(ホヌ)と呼ばれるウミガメが描かれた特別塗装機。

エアバス・ヘリコプターズ

スーパーピューマH225を日本で最大数運用している海上保安庁。海上の治安維持、沿岸警備、救難救助などに運用。

エアバス・ヘリコプターズは日本の民間、官公庁ヘリコプター市場で50%以上のシェアを持ち、現在、370機以上のエアバス製ヘリコプターが100社以上のお客様によって運航されています。防衛省や海上保安庁、朝日航洋、中日本航空、東邦航空など、官公庁から民間企業、個人まで多くのお客様がエアバスのヘリコプターを運用しています。

エアバス・ヘリコプターズ・ジャパンは外資系航空機メーカーとして日本で唯一整備施設を擁し、救急医療(EMS)、警察、報道取材や官公庁向けヘリコプターの販売からアフターサービスまで総合的なソリューションを提供しています。また、その神戸空港事業所はアジア太平洋地域のエンジニアリング拠点としての役目を担い、ブレード修理やH135のフル・フライト・シミュレーターによる訓練を行っています。

 

エアバス・ヘリコプターズは2020年に日本国内での販売代理店契約締結から60周年を迎えました。エアバス・ヘリコプターズの前身である仏シュドアビエーション社が1960年に野崎産業と同契約を締結し、翌1961年に「アルウェットⅡ」を国内で初めて納入しました。

2020年初頭には神戸空港事業所の格納庫増築が完了し、整備施設は60%増加しました。神戸空港内での航空事業では最大のテナントとなっています。

エアバス・ヘリコプターズは国内における強固で長期的な産業パートナーシップの構築や防衛分野での市場拡大を目指しています。これまで、防衛装備庁と機体維持等に係る包括契約を締結し、陸上自衛隊および海上自衛隊が保有するヘリコプターに対し、機体の稼働率を高めるサポートを万全な体制で提供しています。

 

エアバス・ディフェンス・アンド・スペース

スペース・データ・ハイウェイの3基目のデータ中継衛星「EDRS-D」をスカパーJSATと共同開発。2025年までにアジア太平洋地域上空に配置予定。

エアバスは多くの日本の衛星に最先端のコンポーネントを提供し、日本の宇宙産業で大きな役割を果たしています。その技術の一部は日本で共同開発されています。NECスペーステクノロジーや三菱電機と強力な関係を築き、また、住友電気工業から最新機器を調達しています。

2019年には、スペース・データ・ハイウェイの3基目のデータ中継衛星「EDRS-D」をスカパーJSATと共同開発する契約を結びました。EDRS-Dは2025年までにアジア太平洋地域上空に配置される予定です。EDRS-Dによってスペース・データ・ハイウェイによる通信容量は大幅に増加し、カバーエリアも著しく拡大します。

 

パートナーシップ

産業面において100社以上の日本企業がエアバスの様々なプログラムに参画しています。産業パートナーにはSUBARU、JAMCO、川崎重工業、三菱重工業、新明和工業、帝人、東レなど日本の大手企業が名を連ねています。

日本において最大の共同プロジェクトの一つが、川崎重工業との小型多用途双発ヘリコプター、H145/BK117の共同開発、生産です。H145ファミリー(BK117、 EC145、H145)は現在世界中で1,350機以上が運航されており、総飛行時間は550万時間以上にのぼります。

エアバス・ヘリコプターズ・ジャパンは、経済産業省より研究開発のハブセンターとして認定された、日本の航空宇宙産業界で最初の外資系企業です。

 

エアバスは研究開発(R&T)でも日本の様々な研究機関や大学と協力関係を築いています。たとえば、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と複合材料の分野における研究開発で協力し、RIMCOF技術研究組合とは航空機の構造健全性診断技術(SHM)を共同で研究開発しています。日本と欧州との関係を深めることによって、産業協力の強化、多様化につながり、双方にとって大きな利点を生み出します。

エアバスは日本の大学とのパートナーシップも拡大しています。2018年には東京大学と「エアバス・ユニバーシティ・パートナーシップ・プログラム」を締結し、将来の航空宇宙業界を担う若者達の育成に協同で取り組んでいます。

最新であらゆる市場ニーズに対応する製品を幅広く取り揃えるエアバスは、今後もさらなる日本での活動強化に取り組んでいます。日本の航空宇宙産業における協力関係の発展に注力し、日本と欧州の航空産業双方に有益なソリューションを提供していきます。

欧州外での採用情報
エアバスは世界中で様々なキャリアを提供します。
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