Oculus Quest 2
Oculus Quest 2

Facebook から新ブランド『Meta』への改名に伴い、既存のブランドや製品名も整理されます。

なかでも大きいのは、VRヘッドセット Oculus Quest やVRプラットフォームを開発してきた Oculus ブランドが消え、Metaで置き換えられること。

2022年より、従来の『Oculus Quest from Facebook』は『Meta Quest』へ、Oculusアプリは Meta Questアプリになります。

Facebook Meta
Facebook Meta

Oculusはもともと買収によってFacebook傘下になりましたが、社名の Oculus VRはすでに Facebook Reality Labsへと変わり、ブランドとしてのみ残っている状態でした。

Facebook からMetaへの改称が発表されたカンファレンス Connect 2021も、以前は『Oculus Connect』であったものが、昨年からは Oculusが消え『(Facebook) Connect』に変わるなど前兆はありましたが、ついに Oculusのブランド自体が消滅します。

Facebookが「Meta」(メタ)に改名。メタバース・ファーストのソーシャル技術企業へ

Oculusが消えて Facebook Quest になるはずのところが、Facebook 自体がMetaに改名したため『Meta Quest』になったのが経緯といえば経緯です。

ではなぜ Facebook(企業) が Metaに名前を変えるのかといえば、乱暴に要約すれば「メタバース」事業に取り組む会社としての姿勢を示すため。

メタバースといえば Oculus Quest のようなVRゴーグルを着けてアバターでチャットする、いわゆるセカンドライフみたいなやつが思い浮かびますが、ザッカーバーグ的にはVR仮想世界だけに留まるものではなく、開発中のメガネ型シースルーARデバイスなど様々な技術で実現するインターネットの新しいかたちであり、次世代のプラットフォームを実現するパラダイム。

いわく、メタバースでは自宅に居ながらにして遠方のイベントに参加したり、離れた家族友人と対面のように会えるなど、様々な技術で「そこにいる」プレゼンスの感覚を得ることができる。人と人をつなぐ体験を根本的に変える技術であることから、創業以来ソーシャルエクスペリエンスを手掛けてきた Facebookが実現に取り組むのは必然。

しかし社名が単なるサービスのひとつでしかなくなった Facebook のままでは、様々なアプリやデバイスを擁する現在の Facebook社の姿が伝わらないばかりか、今後のメタバースへのさらなる注力も理解されないため、「メタバース事業をやってる会社です」が分かりやすいようメタに改名するといった説明です。

Oculus
Oculus

デバイスのブランド変更については、消費者にとってこの製品は「Meta」社のサービスが使えること、いずれはメタバースにつながる製品であると理解しやすくするため、とされています。

たしかに本体が「Meta」社に変わり、Facebook(サービス)を含む様々なアプリを大きく拡張し得る新たなパラダイムであるメタバースが段階的にも実用化されてゆくとすれば、「Oculus Quest」のままでは既存のVR愛好家はともかく、これからのより広い層の消費者にとっては「このオキュラスって何だ? Metaのサービスは使えるの?」となりかねず、Metaのメタバースへの鍵という位置づけは『Meta Quest』のほうがシンプルとはいえます。

Oculusブランドの消滅に伴い、Questのほか従来 Oculusの名を冠していたサービスやエクスペリエンスの名称も変更になります。

Oculus Venues 等、ファーストパーティー製のイマーシブソーシャルエクスペリエンスについては、Horizon Workrooms や Horizon Worldsなどですでに使われている Horizon を新ブランドとして採用。

Oculus Homeは Horizon Homeになり、その他のアプリも Horizon Venues、Horizon Friends、Horizon Profileのように変わります。

一方、ただの名称置き換えだけはない良いニュースもあります。Facebook と Oculus のブランド変更・組織変更に伴い、Oculus Quest 改め Meta Quest などVRヘッドセットを使うために Facebook アカウントが不要になります。

この変更は2022年に実施される見込み。Facebookアカウントの名前が変わってMetaアカウントになるだけというオチかと思いきや、「VRコミュニティからのフィードバックを受けた変更」であり「最優先事項のひとつ」としていること、また Facebook (企業)がMetaに改名しても、傘下の1サービスとしての Facebookはそのまま存続することからすると、少なくとも現状の SNSのFacebookと1:1紐付け必須の仕組みは変わるとみて良さそうです。

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