1968年、米ニュージャージー州生まれ。90年、米バージニア州リンチバーグ大学国際関係学部卒後、来日。99年、神戸大学大学院法学研究科博士課程修了。博士号取得。2001~09年、大阪大学大学院准教授。09年9月から15年4月末まで在沖米海兵隊政務外交部次長を務めた。東日本大震災を支援した米軍によるトモダチ作戦の立役者の一人。著書に『奄美返還と日米関係』『沖縄問題の起源』『尖閣問題の起源』など多数。エルドリッヂ研究所代表・政治学博士。
台湾政策を衆院選の争点にせよ
エルドリッヂ研究所代表 政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
今年秋に行われる衆議院議員総選挙は、筆者から見れば、日本をはじめインド太平洋地域や世界の行方を決める最も重要な選挙だ。なぜなら、当選される衆院議員の4年間の任期は、中国が台湾を侵攻する時期と重なるからだ。従って、日本の有権者は、台湾を支持し、中国政府に断固として反対する政治家を今回こそ選ばなくてはならない。
アフガン撤退はバイデン大統領の英断
エルドリッヂ研究所代表 政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
筆者ほどバイデン米大統領を批判する人はいないだろう。ただ、アフガニスタンへの介入を終焉(しゅうえん)させ、撤退を実施した同氏を評価したい。もちろん、多少の混乱があって、犠牲者も出た上、より速やかな撤収ができたことを差し引いても、一定の評価ができる。
権利・義務放棄した議会
読者にとって意外かもしれないが、それなりの理由はある。
腐敗断ち切れぬバイデン米政権
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
アメリカでジョー・バイデン政権が誕生してから、ちょうど半年が経(た)った。不安の中で発足した同政権に大きな混乱は見られないが、その理由は幾つかある。
その一つは、より大きな課題である新型コロナウイルスによるパンデミック(世界的大流行)への対応と、急速に進められているワクチン接種だ。
民主党寄りのメディア
公約守らぬバイデン米政権
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
政権が誕生してから100日目の直前となる4月28日、ジョー・バイデン米大統領は米議会で両院に対して初演説を行った。1時間余りのスピーチは国内問題が中心であって、多くの政策や要望を、彼の民主党がコントロールする上院や下院に伝えた。
声が小さかったものの、失言などのミスが比較的に少なかったので、スタッフや周りはほっとしていたに違いない。
第3の政党設立を望む米国民
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
最近、アメリカで新しい調査結果が発表された。それによると、62%のアメリカ人が第3の政党の設立を望んでいることが分かった。これは、歴史のあるギャラップ社の同様な調査では過去最高の数字だ。
この割合に驚く人は多いかもしれない。昨年12月に、本紙ビューポイントで、今後は米国で政界再編が起こると指摘した。
東日本大震災・トモダチ作戦から10年
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
東日本大震災は昨日の出来事のようだ。10年前の当時、筆者は、米軍の救援活動である「トモダチ作戦」に携わり、大変光栄に思っている。その後、今日に至るまで被災地と深い絆を持ち続けており、先日は15回目の訪問を終えたところだ。
茶番劇だったトランプ弾劾裁判
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
米連邦議会上院は2月13日、大統領選挙の結果認定中の1月6日に起きた連邦議会議事堂への襲撃事件を扇動したとして下院に弾劾訴追された前大統領ドナルド・トランプへの弾劾裁判で、圧倒的な数で無罪評決を下した。100人の上院議員の3分の2以上となる67票が必要だったが、7人の共和党員が支持したものの57票しか得られなかった。
バイデン大統領で米国民は結束できず
エルドリッヂ研究所代表 政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
ジョー・バイデンは、アメリカ合衆国憲法に定めている手続きを踏んで第46代米大統領に就任した。就任式は「アメリカ・ユナイテッド」をテーマにした。つまり、去る11月の大統領選挙によって一層進んだ分断されている米国を再結束するということだ。
大統領選後の米政界再編を占う
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
以前に当欄で書いたように、2016年の米大統領選の予備選の時から不正を繰り返した民主党全国委員会は、今回も予備選や本選挙で不正を犯さなければ同党の幹部(およびその協力者たち)が望む候補が勝てないと知っている上で不公平な選挙を展開した。悪名高いヒラリー・クリントンや失言の多いジョー・バイデンはそれほどまでに人気がなかった。
トランプ法廷闘争は「聖戦」
元在沖縄米海兵隊政務外交部次長 ロバート・D・エルドリッヂ氏
不正が疑われる事例が数多く出ている米大統領選をどう見るか。政治学者で元在沖縄米海兵隊政務外交部次長のロバート・D・エルドリッヂ氏に聞いた。(聞き手=編集委員・早川俊行)
バイデン候補絶賛の悪質メディア
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
米大統領選を約2週間後に控えた10月19日、半世紀にわたって音楽や文化をはじめ、社会問題、政治問題などを扱う人気雑誌「ローリング・ストーン」が、野党民主党の大統領候補のジョセフ・バイデンを特集し、絶賛した。表紙にもなっている。「バイデンの時が来た」という大見出しの下には、「彼がアメリカを再建させる適任者」と書いてある。
コロナ後の日本の広報外交
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
コロナウイルス感染が流行する前、国際防災会議のため、フィリピンへ行った。火山、台風、地震、土砂崩れなどの自然災害が頻繁に起きるフィリピンから学ぶことが多い。
コロナ後の日本再生は大学改革から
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
今からちょうど15年前、大阪大学大学院国際公共政策研究科の准教授だった筆者は、在外研究先の米ハワイ州オアフ島にある太平洋海兵隊の司令部での客員研究員としての在外研究期間を終えようとしていた。2004年8月から始まった在外研究は珍しい内容だった。
国際社会で台湾を認め、支えよ
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
中国・武漢で新型コロナウイルスの流行が始まってから半年が経った。世界で感染が拡大する間、台湾の感染者と死亡者は極めて少なかった。専門家による早い発覚と通知、同政府の素早い対応など、見習うべき成果が注目されてきた。
コロナ後のボランティアの在り方
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
春を迎え、例年なら世界各国で「ボランティア週間」が祝われる時期だ。地域サービス、献血、ビーチや路上の清掃など日頃のボランティア(奉仕)活動に感謝し、ボランティアすることの重要性を啓蒙するという内容だ。
新型コロナ対策「沖縄県、自衛隊、米軍が連携を」
在沖海兵隊元政務外交部次長 エルドリッヂ氏が指摘
新型コロナウイルス感染が世界的に拡大している中、在沖海兵隊の元政務外交部次長のロバート・エルドリッヂ氏はこのほど、本紙のインタビューの中で、日米両国の知恵を結集して対策すべきだと主張。特に米軍基地が集まっている島嶼(とうしょ)県の沖縄では、県と米軍、自衛隊による連携が重要になると指摘した。
中小企業こそインターンを
エルドリッヂ研究所代表・政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
近年、日本でインターンシップが増え、その内容や機会が拡大している。リクルート社がまとめた「就職白書2018」によると、2017年度中、日本の会社の68・1%がインターンシップを実施した。前年度比で8・7ポイント増えた。さらに18年度は、73・7%に上昇することが見込まれる。
参加学生の5割が入社
沖縄戦で住民の犠牲は減らせたか
エルドリッヂ研究所代表・政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
沖縄戦当時、医療部隊の一員であったヘンリー・ベネット中佐は1946年初め、「紛れもなく、沖縄群島における軍事作戦は、島嶼(とうしょ)地域における過去の争いよりもはるかに大きな混乱、破壊、犠牲をもたらし、人々にとって悲劇としか言いようがない」と記した。
防災・減災考える国際会議を
エルドリッヂ研究所代表・政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
今は地震が頻発する「地震の季節」にあると言えよう。
過去、日本で発生した最悪の自然災害は9月から3月にかけて起きている。関東大震災が発生したのは1923年9月、昭和南海地震は46年12月、阪神淡路大震災は95年1月、東日本大震災は2011年3月だ。
日本人母子の権利を守れ
エルドリッヂ研究所代表、政治学博士 ロバート・D・エルドリッヂ
1951年に締結された日米安全保障条約の改定版(「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約」)が署名されてから、今月で60周年を迎える。
新しい条約の付属資料の一つは、日米地位協定(「日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定」)だ。