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BA.5対策強化宣言を新設 都道府県で発出判断、国は対策助言

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首相官邸=竹内幹撮影 拡大
首相官邸=竹内幹撮影

 政府は29日、持ち回りの新型コロナウイルス感染症対策本部で、オミクロン株の派生型「BA・5」の感染急拡大を受け、病床が逼迫(ひっぱく)する都道府県が出せる「BA・5対策強化宣言」を新設すると正式決定した。対策強化宣言をした自治体は、ワクチン接種の促進や高齢者らの外出自粛などを呼びかける。社会経済活動と医療提供体制の維持を両立させる狙い。

 岸田文雄首相は29日、新型コロナ対応について「従来型の一律行動制限ではなく、メリハリが利いた対策を行わなければならない」と主張した。首相官邸で記者団の質問に答えた。

 強化宣言は、①病床使用率が「50%超または昨冬のピーク時を超える」②入院患者が「おおむね中等症以上等の入院を必要とする者」――に該当するなど、医療の負荷が増大していると認められる場合、都道府県が独自の判断で出せる。国は強化宣言地域を「BA・5対策強化地域」と位置づけ、感染対策に関する助言や指導をする。

 強化宣言を出した都道府県は、ワクチンの早期接種や無料検査の積極活用などを住民に呼びかける。高齢者や基礎疾患のある人には、混雑した場所など感染リスクが高い場所への外出自粛も要請する。

 ただし、罰則がある緊急事態宣言やまん延防止等重点措置とは異なり、事業者に対する営業時間短縮要請など行動制限につながる要請はしない。国はリエゾン(連絡員)の派遣など感染対策を支援するが、協力金支給などの財政支援はしない。

 政府は病床や発熱外来の逼迫回避策も決定した。国が抗原定性検査キットを買い上げ、2段階に分けて計約2400万回分を都道府県に配布。自己検査を進め、発熱外来の目詰まりを防ぐ。神奈川県などには自己検査結果をインターネットで登録して在宅療養する仕組みがあり、これを他の自治体に広げる支援もする。

 BA・5対策を巡っては、全国知事会が28日、「現在の基本的対処方針では的確な対応が困難」として、政府に新たな方針を示すことを求める緊急建議を発表していた。山際大志郎経済再生担当相は29日の記者会見で「知事会からの要望があって速やかに対応した。今の法律の枠を超えて新たに決めたことではないが、網羅的にできることを示すことに意義がある」と述べた。【村尾哲、原田啓之】

BA・5対策強化宣言のポイント

・都道府県が地域の実情に応じて宣言を出す

・宣言を出す基準は「病床使用率が50%超か昨冬のピーク時を超える」かつ「入院患者がおおむね中等症以上の入院を必要とする者」

・ワクチン接種促進や高齢者への外出自粛を呼びかける

・飲食店などへの時短要請はせず、都道府県を越える移動も制限しない

・国はリエゾン(連絡員)派遣など感染対策を支援する

【新型コロナウイルス】

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