<中日7-10横浜>◇17日◇ナゴヤドーム

 中日の守護神岩瀬は真っすぐもスライダーも打ち返された。2点リードの9回表。横浜先頭の代打下窪にストレートの四球を与え、1死後連打で満塁とされた。2番仁志の左前打で今季初失点。3番内川に同点打を浴び、4番村田には走者一掃の左中間二塁打を浴びた。これで5連打。さらに6番吉村にも左前打を浴び、打者10人に6安打5失点。昨年7月16日ヤクルト戦(ナゴヤドーム)に並ぶ自己ワースト失点となった。

 今季17試合目の悪夢だった。この試合まで防御率0・00。相手を無安打に封じ込めたのは5試合だが、走者を背負っても最後の1本を打たせず12セーブを挙げていた。不調でも悪いなりに結果を出してきただけに、この日の大炎上は際立つ。「最初の四球はよくなかった。準備はいつも通りにしていた。打たれたから甘いと言えば甘いかもしれないけど、とくにいつもと違うことはなかった。切り替えていきます」。すべての責任を背負い込み、言い訳を拒否した。

 ショッキングな逆転負けだ。打線が16安打7点と爆発し、勝ちパターンに持ち込みながらの敗戦。首位阪神が4連勝を決め、ゲーム差は今季最大の「4・5」に開いた。それでも落合監督はあくまで冷静を装った。「まあ、こういうこともある。年に1、2度はな。岩瀬で守れなくて負けたならショックでも何でもない。誰のことも心配していない。人間のやることだからすべてうまくいくわけはない」。4時間1分の熱戦の疲れを、引きずるわけにはいかない。【村野森】