たった1人の“卒業生” 小学校閉校の地域で住民が企画 「幻の卒業式」
この式にたった1人の「卒業生」として招かれたのは岩泉小学校を17日卒業したばかりの田鎖陽和君です。田鎖君は2年生まで同じ岩泉町内の浅内小学校に通っていましたが、2019年3月の閉校後は岩泉小学校で学びました。
「幻の卒業式」と題した式は田鎖君の成長を見守ってきた地元住民が企画したもので、旧浅内小学校の体育館で行われました。
(卒業証書授与)
「あなたは本校において小学校の全過程を卒業したことを証します」
当時の校長・濱尾信一さんから田鎖君に卒業証書が手渡されたほか、閉校した際に5年生だった先輩3人が駆け付け、花束と記念品を贈りました。
「陽和君。卒業おめでとう(おめでとう!)。私たちは心からきょうの門出をお祝いします。(お祝いします!)」
(田鎖陽和君)
「足の悪い高齢者もいるのに、僕のためにここまでしてくれてありがたいです。みんな優しくて家族みたいで友達みたいな関係です」
(「幻の卒業式」を企画した 應家義政さん)
「学校がある時の最後の入学生を何とか入学した学校から卒業させて旅立たせてやりたいという思いでやらせてもらいました」
地域に学校はなくなりましたが、子どもたちを見守る優しさは変わらないことを印象付ける卒業式となりました。