「ドラフト会議」(27日、東京都内)
阪神は27日、ドラフト1位で慶大の伊藤隼太外野手(22)を指名した。神奈川県・日吉の大学内で会見した伊藤隼は、同校の先輩で巨人の高橋由伸外野手(36)のように「存在感のある選手になりたい」と決意表明。また2位で聖光学院・歳内宏明投手(18)、3位で大阪桐蔭・西田直斗内野手(18)、5位で波佐見・松田遼馬投手(18)と、甲子園出場経験のある高校生3人も指名した。
約50人のチームメートに囲まれ、合宿所の食堂でかたずをのんだ。5時15分。慣れ親しんだ名前が阪神のドラ1パネルに輝く。その瞬間、仲間たちは総立ちとなり、伊藤隼も両手でガッツポーズを作り歓喜の声を挙げた。
戦友たちに胴上げされ、寮の前にはサプライズで応援団が待機。高らかな応援歌に送り出され臨んだ会見では、球界を代表する大学の先輩の名を挙げ、決意表明した。
六大学リーグで3冠王となり、歴代1位となる通算23本塁打を記録した慶大卒のスラッガー・高橋由伸。将来は、巨人で活躍する先輩のように球界の顔と呼ばれる選手になりたいか?そう問われると、表情を引き締め、答えた。
「なりたいのは、存在感のある選手。ファンの方やチームメートから頼りにされ、伊藤隼がいればなんとかしてくれると思われるような選手です。そういう(高橋のように)プロ野球を代表する選手になっていきたい」
今季も新人王は、4年連続で巨人に奪われることが濃厚だ。それは、高橋が新人時代に打率3割、19本塁打、75打点の好成績を残しながら受賞できなかった、慶大にとって因縁のタイトルでもある。
江藤監督は「それ(新人王)を獲れるだけの実力を持っている」と太鼓判を押すが、191人の部員を束ねるマンモス野球部の主将は冷静だ。
「目標は置かずに、その場その場で、どういうことを必要とされているのか考えていくのが大事。やることをやった結果、そういうこと(新人王)がついてくればいい」
ドラフト制以降、初めて慶大から直接、阪神に入団した。まだ見ぬ新天地では「金本選手に話を聞いてみたい。あれだけ長く活躍されている方なので、体づくりの秘けつを」と弟子入り願望も明かした。
会見の最後、今の気持ちを色紙に求められると“感謝”と書いた。「一緒に切磋琢磨(せっさたくま)した仲間と両親に感謝の言葉を伝えたい」。支えられ歩んだ野球人生は、甲子園へと続いていく。
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