どうしんウェブ 北海道新聞

  • PR

  • PR

新幹線 小百科

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • mixiチェック

【三線軌条・2】共用レール、管理に神経(2014/07/15)

三線軌条を走行し、JR神宮寺駅を通過する秋田新幹線「こまち」
 秋田新幹線は、東京から盛岡まで東北新幹線を走り、秋田までは改造した在来線に乗り入れる。このうちJR奥羽線神宮寺―峰吉川間12・4キロの在来線が3本レール(三線軌条)化され、在来線列車と新幹線が走行している。新幹線のレール幅は在来線よりも広いため、在来線が走る2本のレールの外側にもう一本を敷くことで新幹線も走れるようにした。

 JR東日本秋田支社によると、この3本レールを走る列車は1日に新幹線5本、在来線37本に上る。新幹線を7両編成、在来線の全列車を2両編成と仮定すれば、1日に各レールを通過する車両数は新幹線用が35両、在来線用が74両、共用が109両となり、3本の使用頻度には違いがあることが分かる。

 同支社は「(秋田新幹線の)開業から17年になるが、3本のレールの摩耗度に顕著な差はない。ただ、共用レールの疲労の進み方や傷は特に気を付けて点検している」と話す。レールの点検は在来線用と新幹線用の2種類の点検車両を走らせるなど、手間は通常の2倍かかるという。

 同区間では昨年3月、秋田新幹線が脱線事故を起こした。大雪の際、幅の狭い在来線用の除雪車を使ったことで、在来線より外側の新幹線走行部分に吹きだまりが残り、車両が乗り上げた。事故後、同支社は新幹線用の除雪車を毎日運転し、除雪幅も最大90センチ広げるなど改善策をとった。

 北海道新幹線では、青函トンネルを含む約82キロが新幹線と在来線の貨物列車が一緒に使うため、三線軌条となる。JR東日本は今後、要請があれば、JR北海道への技術協力を行う方針だ。(経済部・米林千晴)

新幹線 小百科 コンテンツ一覧

このページの先頭へ