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「鳥取しゃんしゃん祭」変革 期間、コース大幅変更
2007/04/11の紙面より

 鳥取の祭りから日本の祭りへ−。二〇〇九年度に姫鳥線の開通を記念して行われる鳥取・因幡の祭典に向けて、鳥取しゃんしゃん祭が変革の時期を迎えている。昨年のすずっこ踊り導入に続いて今年は期間や踊りコースなどの大幅な変更を盛り込み、円滑な運営を目指す。一方で行政頼みの体質を問題視する声もあり、今後も試行錯誤は続きそうだ。


■失敗を糧に

 「昨年は百パーセントに近い失敗だった」。三月下旬に開かれたしゃんしゃん祭振興会総会で、福本登副会長は唇をかんだ。同祭は鳥取・因幡の祭典に向けて〇五年度に改革検討委員会を発足し、昨年の祭りから改革に着手した。

 八月十五、十六の二日間開催を土、日曜日開催に切り替え、新たにすずっこ踊りを導入。過去最多の八十二団体、約四千人が参加して盛況だったが、すずっこ踊りから傘踊りへの入れ替えなどがスムーズにいかず、祭り後のアンケートでは踊り子から苦情が相次いだ。

 従来の若桜街道と智頭街道を周回するコースについて、鳥取市観光協会連幹事の陸谷ヒロ子さんは「連が滞って同じ場所で何十分も踊ることもあり、踊り子の間で不満は多かった」と指摘する。

■新たな試み

 今年は長年引き継がれてきたコースを大幅に変更。市役所駐車場の特設ステージを起点に若桜街道を一方通行で進み、鳥取駅周辺をゴールとするコースを設定した。陸谷さんは「自分たちの出番以外はほかの連の踊りを見ることもでき、観客としても楽しめる」と歓迎する。

 日程は八月十−十二日の三日間に拡大され、十日はすずっこ踊り、十一日は一斉傘踊りが行われる。自由で誰でも参加しやすい“動”のすずっこ踊りと統一感のある“静”の傘踊りという対照的な二つ踊りが見られることが新たな祭りの見どころとなりそうだ。

■市民の力で

 改革が盛り上がりを見せる一方で、祭りの運営費は約八割が市の補助金で賄われるなど、行政依存の体質は根強い。沿道商店街の祭りへのかかわりの薄さも指摘される。コースから外れる智頭街道沿道の商店は「祭りだからといって商店が潤うわけではなかった。普段通りの夜になるだけ」と冷静だ。

 そんな中、昨年から旧市内の公民館に募金箱を設置して市民募金を集めるなど、徐々に市民の間でも主体的な参画の機運は出てきている。市自治連合会会長で振興会副会長の森西辰良さんは「因幡の祭典もしゃんしゃん祭も、真の目的は地域活性化。行政頼みではなく、少しずつでも自分たちで変えていこうという意識を育てていきたい」とさらなる意識改革の必要性を訴えた。


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