田尾安志氏長男がネット上で歯科“開業”…歯に衣着せぬ「歯チャンネル８８」超人気

虫歯ではなく、パソコン相手に奮闘する歯科医・田尾耕太郎さん

　８月８日は北京五輪開幕だが、歯の日でもある。歯科相談・情報サイト「歯チャンネル８８」がインターネット上で“勢力”を拡大している。運営者の田尾耕太郎さん（２７）は、父が東北楽天ゴールデンイーグルス初代監督の田尾安志さん（５４）＝プロ野球解説者＝、母がヘビーメタル歌手のマダム・レイ（年齢不詳）という異色の出自。歯科医師免許を持ち、８月８日生まれという、歯の申し子だ。

　「２ちゃんねる」ならぬ「歯チャンネル」は、０６年の５月に開設してから２年あまりで、累計２０００万アクセスを突破した。松本歯科大を卒業し、国家試験に合格した耕太郎さんは、勤務医をしながら「今の歯科界は患者さんへの情報提供が遅れている」とネット上での、情報公開を決意した。

　ちょうどそのとき、父・安志さんは、ＩＴ企業が初のオーナーとなった新球団・楽天の監督だった。耕太郎さんは、父の紹介で、楽天関係者からＩＴのノウハウを吸収。３年契約ながら不本意にも１年で解任された田尾監督は、歯チャンネルという“遺産”を作っていたことになる。ちなみに当時の田尾監督の背番号は「８８」だった。

　歯チャンネルの売りは、無料で相談・閲覧ができる「歯科相談室」。「神経を取ったのですが、白いものが詰めてあるだけで不安です」「インプラント１本の治療費が５０万円を超えますが、これは適切？」「保険と保険外の違いは何？」など、かかりつけの歯科医への不信感からくる相談が多い。

　「家から近い歯科医院へ行って、歯医者さんの言われるがまま治療を受けるだけの患者さんがほとんどだと思う。患者さんたちに“歯オタク”になってもらいたい」と耕太郎先生。サイトでは全国の歯科医院検索もでき、賛同（便乗？）した医院は４００軒を超え、医院からの登録料や広告料で運営が成り立っている。目標は“歯科界のヤフー”だ。

　サイト内では、管理者の両親について公表していない。「勘のいい人には、ばれてますけどね。父は負けず嫌いで、僕は結果主義家庭で育ちました。今でも、いつ父から殴られるかもしれない、という怖さがあります。母は、僕と弟（２５）、妹（１６）を育て、今でも、きっちり家事をこなしてから、音楽活動をしている。尊敬します」。マダム・レイのサイトと歯チャンネルはリンクしており、マダム・レイが話題になった今年３月には、歯チャンネルのアクセスが急増し、親子で刺激しあっている。

　そもそもは、将来、開業したときの患者さんへの説明資料として始めたサイトだが、予想以上に“歯チャンネラー”が増え続けており、耕太郎さんは、開業準備をさせてもらえないでいる。

　◆田尾　耕太郎（たお・こうたろう）１９８０年８月８日、田尾安志（当時・中日外野手）の長男として生まれる。２７歳。甲南高―松本歯科大卒。大学まで野球部のエースで、歯科大リーグ「デンタルリーグ」で活躍。０５年、歯科医師国家試験合格。

　◆「歯チャンネル８８」のアドレス　http://ha-channel-88.com/

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