横浜Mが獲得オファーを出したことが分かったFC東京FW・大黒将志
大量8選手に戦力外通告を出したJ1横浜Mが、再建の切り札としてJ1FC東京の元日本代表FW大黒将志(30)に獲得オファーを出したことが30日、分かった。大黒は6月に財政難のJ2東京Vから今季末までFC東京へ期限付き移籍。東京Vとの契約は来季まで残っているが、推定7000万円という高額な年俸を払えないこともあり、動向が注目されていた。激震の名門に福をもたらす“大黒様”となるか。
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横浜Mが得点力不足解消の切り札としてFW大黒に狙いを定めた。J屈指の堅守を誇りながら外国人補強の失敗などが続き、今季もここまでJ1で10位の43得点。チーム改革のためにMF山瀬、FW坂田ら前線の主力を戦力外とする一方、アジア王者の韓国・城南FWラドンチッチらをリストアップして補強を模索。最終的に大黒に獲得オファーを出した。
流浪の点取り屋だ。大黒は08年6月のイタリア(セリエA)トリノから東京Vに移籍した。だが東京Vの財政危機に陥ってからは、推定7000万円という年俸がネックとなり放出要員となっていた。
今季は期限付きで移籍したJ2横浜FCでスタートし、16試合12得点とゴールを量産。6月にはJ1の残留争いに苦しむFC東京の救世主に指名されて再び期限付き移籍した。ここまで21試合7得点で平山と並ぶチーム得点王だが、FC東京では来季構想外となっており、いったん東京Vに復帰。だが来季末まで大黒との契約が残る東京Vが高額年俸を抱えきれないことに変わりはなく、移籍する可能性が高いとみられている。
横浜Mは社運をかけて交渉に挑む。衝撃の大量リストラの影響を重く見て、嘉悦社長が公式HPに声明を発表。「クラブを去ることになる選手の魂を受け止め、“不退転の覚悟”で来季に臨む」と表明した。
嘉悦社長は「覚悟の中身に直接サポーターに伝えたい」と12月4日の最終節・大宮戦後に明かす考えだが、獲得選手の交渉に出馬するなど再建になりふり構わず取り組む。「ここまでは放出などのマイナス面しか出ていない。補強などの成果で見て欲しい」。強い熱意で大黒獲得に動いている。