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[アーチェリー]蟹江“近大決戦”制し切符…W杯代表最終選考会

W杯代表最終選考会を1位で通過した蟹江美貴(左)と2位の川中香緒里

 ◆アーチェリー W杯代表最終選考会最終日(22日、東京・国立科学スポーツセンター)女子は蟹江美貴(23)=ミキハウス=が初日から首位の座を守り、1978点で1位突破した。近大の現役、卒業生の5人だけで争う“女の同門決戦”となったが、2位・川中香緒里(20)=近大=とともに6月18日開幕のW杯(米国)の代表選手に選出。男子では石津優(広島県協会)が最終12エンドで古川高晴(近大職)を逆転して1位となった。男女の上位各2選手に、五輪代表に決定している男子の菊地栄樹(エディオン)、女子の早川漣(佐世保商高職)を加え、W杯で五輪の団体戦出場権獲得を目指す。

 アーチェリー界きっての“不思議系キャラ”が五輪へ前進した。3日間で216射を終えると「あ~、疲れました。今はとりあえずうれしい。これで五輪が決まったわけじゃないんですが」。蟹江がおっとりした口調で笑った。的の中央10点を射抜いた本数は3日ともトップではなかった。だが、他を寄せ付けない安定感でトップ通過した。

 インドア派を公言する23歳。中学で競技を始めたのは「これなら走らなくてよさそう」という理由だった。イラストが趣味で「ゆるゆるアンパンマン」など即興で描いてみせる。右の肩当てにはアニメのトイ・ストーリーに出てくる目が3つの「リトル・グリーン・メン」を貼っている。選考会の緊張感と無縁のムードを漂わせたが、競技では長く苦しんでいた。

 昨年5月の世界選手権代表選考会に向けて、1年かけてフォームを改造した。韓国代表としてシドニー五輪で団体金メダルを獲得している金清泰コーチ(31)の助言を受けて、弓を持つ右手を内側にひねるように変えた。だが、選考会5位で3枠の代表入りを逃すと、今度はひねらない持ち方に戻した。「また1年がかりでしたが、形を気にしすぎていたのが、的に集中できるようになった」。近大3年で全日本選手権を初制覇した強さを取り戻した。

 今大会は、いつも近大の生駒練習場にいる5人が顔をそろえた。争う枠は2つ。「今月に入ってからも普通に話はしてたんですけど、練習していると、その人が何点かなって気になりました」。激しい同門決戦を制した先には、五輪への最終関門が待ち受ける。W杯の上位3か国が手にできる団体戦出場権。「楽しく射れば点も出ると思うので、頑張るしかありません」。ゆる~いコメントにも強い決意がこもっていた。

 ◆蟹江美貴(かにえ・みき)1988年12月4日、愛知・岡崎市生まれ。23歳。岡崎市立東海中で競技を始め、愛産大三河高2年時に全日本室内選手権6位。3年では高校総体で団体優勝。近大に進学後、2009年は世界選手権で団体銀メダル、全日本選手権優勝、アジア選手権で日本女子初の団体金メダル獲得と、立て続けに好成績を残した。昨年4月にミキハウス入社。161センチ、60キロ。

 【ロンドン五輪出場の行方】選考会は男女各5人が70メートルを1日72射し、3日間の合計得点で上位2人をW杯代表に決定。今後は5月中旬から都内で強化合宿を行い、五輪代表の菊地、早川を加えた男女3人ずつでW杯に出場。3枠残された五輪の団体戦出場権獲得を目指すが、男子は台湾、インド、ロシア、女子は米国、フランス、ポーランドなど強豪がそろう。

(2012年4月23日13時31分  スポーツ報知)

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