2009年05月21日

ギリシャ・ローマの売春婦 ヘタイラとポルノイ

今回は歴史であるので、18禁にはしない。


古代ギリシャでは、売春婦のランク付けがしっかりしており、高級なものから最下級までしっかりしたヒエラルキーができていたそうである。最上級は、国王や貴族を相手にする高級娼婦や愛人、最下層は奴隷や低所得者層の一般人を相手に客を引く街娼達であった。

 高級娼婦は、ヘタイラと呼ばれていた。知性・美貌・技術を兼ね備えていて、日本の花魁(オイラン)と同じように普通の売春婦とは別格に扱われていたようだ。ヘタイラの中でも国王や貴族に見初められたものはさらに出世して、寵妃や側女として権力をにぎったものが多く存在した。

 古代ギリシャ時代にラミアという高級娼婦がいた。ラミアという名前は、吸血鬼とか搾取者のようなイメージが付きまとう。ギリシャ神話に登場するゼウスの嫉妬深い妃 ヘラに怪物に変えられてしまった不幸な姫の名前でもある。実際、この高級娼婦ラミアとギリシャ神話のラミアと関係があるかどうかは分からないがギリシャの人たちからすれば怪物として移った可能性はある。

 ラミアは、もともと酒場で音楽に合わせて踊る、踊り子であった。美貌と妖艶な踊りがエジプトのプトレマイオス王の目にとまり。彼の寵愛を受け、その後、マケドニアのデメトリウス王の側女として王の絶大な信頼と愛を受けていた。彼女の石鹸を買うために増税されたり、華美な装飾品を好んだために増税された。王の寵愛を受けた彼女の発言力は絶大で一般民衆にとって見れば王を惑わせる怪物のように思われたに違いない。

 しかし、国民からの人気は高く「アフロディテ」信仰と融合し「アフロディテ・ラミア」として神にまで祭られたそうである。おそらく、このあたりのあたりがラミアの原型になったのではないかと思われる。

 ギリシャ神話の愛と美の女神「アフロディテ」は、宗教売春に大きく貢献したといわれている。ギリシャで始めて税制をひいた立法家 ヘロンは、売春宿に対して売春税を課しそれを元に「アフロディテ」の神殿を立てた。ヘロンは、どんな商売よりも安定している売春宿に注目したのだ。

 最上級は、ヘタイラであるが、最下層の売春婦は「ポルノイ」と呼ばれていた。この名前を聞いてピンときた者もいると思う。
現代語の「ポルノグラフ」とか「ポルノ映画」などの、「ポルノ」の原語である。もともとの意味は、「売春婦に関することを言う」という意味で、それが「猥褻な」というようなアダルティックな意味で使われるようになったそうだ。
posted by オストアンデル こと すだちわきお at 16:30| Comment(0) | 18禁向け 性風俗通史 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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