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インタビュー「僕のルール・私の理由」

世界の子供にワクチンを・・・JCV

2009年7月16日。東京青山の国連大学で、JCVワクチンシンポジウムが行われました。その司会を務めたのが山元香里さんです。山元さんは仕事をしながら立教大学大学院に在籍し、社会貢献について学んでいる真っ最中。将来はその知識を仕事に反映させたいと考えているようです。そして、今、JCVでの寄付のルールを考え中とのこと。大学の授業を終えた山元さんをおたずねして、心のうちをうかがってきました。
フリーアナウンサー 山元香里さん(やまもと かおり)
1982年、埼玉県生まれ。大学卒業後、福島テレビのアナウンサーとして約2年半活動。現在、東京でフリーアナウンサーとして活躍中。仕事に向かうかたわら立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科(修士課程)に入学し、社会貢献について研究をしている。修士論文のテーマは「テレビ局のCSR」。
山元香里さんのプロフィールはこちら

地道な地域活動を多く取材して、社会貢献の尊さ、自分の勉強不足を知った

 

社会貢献に関心をもったきっかけは?

大学を卒業後、福島県のテレビ局でアナウンサーとして2年半働いていたのですが、あるとき、地元でフリースクールを運営するNPOの方を取材しました。「NPO」という名称は知っていたものの、直接活動現場に出向いたのはそのときが初めてでした。不登校の子どもたちがこんなにたくさんいるという事実。もしこのフリースクールがなければその子たちのいる場はないということ。そして普通に就職をして会社から守られていた自分には到底想像がつきませんでしたが、世の中には本気で社会問題を解決するために自ら行動を起こす人がいるんだということ…。とても衝撃を受けました。

それまで自分の中には「非営利=偽善」というイメージがありました。けれど、取材するなかでNPOの方の芯の強さに触れたり、子どもたちから話を聞いたりしているうちに、決して簡単な気持ちではできないことだと認識するようになりました。と同時に、自分がいかに浅い考えで仕事をしていたかを知り、恥ずかしくもなりました。現場で実のある言葉を引き出しいい取材をするには、質問するこちら側がテーマを深く理解をしていないと、ぼんやりしたやりとりで終わってしまいます。しっかり基礎を学びたいという気持ちが次第に強くなり、退職して大学院に通うことにしました。

それから、すごく個人的なことですが、ずっと頭のなかにひっかかっていたことがありました。大学3年生のとき、それはちょうど就職活動の時期でもあったのですが、父が脳溢血で倒れたんです。病気の知識、看病のやり方など、わからないことが多く、身近な家族ひとりを手助けするにも、さまざまな知識がないと単なる愛情だけではどうしようもできないことを知りました。このとき家族だけでなく、社会を含めて助け合う精神がいかに大切であるかを身をもって経験しました。

山元香里さん

立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科でJCVの活動について発表を行う山元さん。JCVの広報戦略についての特徴などをはっきりとした言葉で簡潔に伝えていました。

山元香里さん

 

JCVを知ったきっかけはなんですか?

JCVとのお付き合いは、日本ファンドレイジング協会のイベントで司会を頼まれたことがきっかけではじまりました。和田投手がルールを作って寄付をするという活動はテレビCMなどを通じて知っていましたが、その団体名までは認識していなかったんです。でも、すぐに「あ、和田さんのあの団体だ」と理解できました。社会貢献に関する仕事がしたかったので、いいご縁ができてうれしかったです。

修士論文に向けて、追い込みの時期。いまの自分にぴったりのルールとは?

これからルールを作って寄付をはじめたいそうですね。さて、どんなルールにしましょうか。

うーん。本当はアナウンサーの仕事に結びつけた内容にしたいんですが、今は大学院の勉強のために、仕事を少なくしているんですよね。どうしようかな。


ルールは、今後状況が変わったときには内容を変更しても大丈夫です。今、やりがいをもってできるルールであることが大事だと思いますよ。

そうですね。今は、2009年1月に提出しなければならない修士論文のことで頭がいっぱいです。それまでに、最低でも100冊の本を読みなさい!と言い渡されているんです。もともと読書は大好きなんですが、さすがにちょっと気が重たいんですよね…。本を1冊読むごとにワクチン1人分にしようかな。あ、ちょっと少ないですか?


いえいえ、そんなことないですよ!100冊読めば、100人の子どもが助けられます。

じゃあ、そうします! そうだ、ちょうどブログを始めたいと思っていたので、そこに報告するようにします。ブログを書くにあたっては、単に「今日はこんなご飯を食べました」とか「こういう映画を観ました」というのでは、ちょっと物足りないなと思っていたところなんです。これでブログを書く意義もみつかったし、私自身にとってもやりがいになるのでとてもうれしいです!


社会貢献について勉強したい人への読書案内にもなりますね。がんばってください!

書くのが楽しみになってきました。さっそく始めたいと思います!

山元香里さんのブログはただいま準備中です。ご期待ください!

山元香里さん

「大学院の授業には、さまざまな経歴、年齢層の方が参加しています。でも、上下関係なくフランクに議論ができるので、とても勉強になります!」

山元香里さん

「アナウンサーという仕事は、自分の言葉でダイレクトに表現し、すぐに相手の反応を感じられる。そこが自分の性格に合っていると感じています」

山元香里さん

プライベートでは、好きな本を自分のペースでのんびり読む時間が好き、という山元さん。今は、修士論文のための本を読まなくてはならないので、あまりそういう時間は持てないそうです。

寄付や社会貢献を楽しく伝える新しい番組をつくってみたい

たくさんの人に寄付活動や社会貢献へ参加してもらうには、どうしたらいいと思いますか。また山元さんご自身の将来の夢などはありますか?

勉強をはじめていろいろなNGO、NPOを知るようになりましたが、JCVは気軽に参加できるしくみがうまく作られていますし、おしゃれな雰囲気もある。そのあたりに好感を持ちました。もともと寄付や社会貢献に関心のある方には、そういう要素は必要ないのかもしれません。でも、まだ興味のない方に広く参加してもらうにはとても大事なポイントだと感じました。簡単に参加できる寄付活動がもっと増えると、いろんな方向に扉が開いて、寄付行為そのものがもっと一般的になるような気がします。

私自身について言えば、「社会貢献の番組なら、山元に」と言われるようになりたいと思っています。そのためには、もっと社会貢献について学んでいかなくてはいけませんし、アナウンサーとしての実力もつけていかなくてはなりません。たとえば、ものすごく時間をかけて深い取材をしていても、本番では「15秒でまとめて言って!」と言われたりすることもあるんです。本質をとらえたコメントで、多くの人の心を動かせるようになりたいですね。それから、いつか社会貢献についての専門番組を立ち上げて、自分の言葉で視聴者に語りかけられたらいいなと思っています。

山元香里さん

立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科の野中章弘先生と、ゼミメンバーのみなさん。ありがとうございました!

山元香里さん

アナウンサーの仕事をいったん辞めてまで、どうして大学院で学ぶことを選んだんだろう? その疑問の答えは、山元さんの福島時代の経験にあったんだね。「当時、自分が何をしたくてこの会社に入ったか、みなさんとふれあう時間の中で、深く考えさせられました」という山元さん。フリースクールの方たちとの交流は、取材後も続いたそうだよ。社会やみんなにとって、本当に大事なことはなんだろう? その中で、自分の役割って、なんだろう? これから山元さんが、自分なりの答えを探しながらメディアを通してたくさんの人にいろいろなことを伝えていくのを、僕もしっかり応援していこうと思うよ!

山元香里さん
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