【富山】Ｕ１８中国代表ＤＦ高准翼、リンス＆宇佐美封じた！

Ｇ大阪・宇佐美（左）をマークする高（右）

　◆練習試合　▽１試合目　富山１―１Ｇ大阪　▽２試合目　Ｇ大阪３―０富山（９日、宮崎・綾町錦原運動公園）　Ｊ２カターレ富山は９日、宮崎・錦原運動公園でＪ１のＧ大阪と練習試合を行い、主力組が出場した１試合目は１―１で引き分けた。１点を追う同後半から、新加入のＵ―１８中国代表ＤＦ高准翼（１８）が途中出場。日本代表ＭＦ遠藤、ＦＷ宇佐美、リンスら一線級をそろえた相手攻撃陣を４５分間無失点に封じた。同２７分にはＦＷ苔口卓也（２８）の同点弾もアシスト。３月２日の岡山戦（カンスタ）に向け、開幕スタメンを猛アピールした。

空中戦で高さを発揮した富山の１８歳ＤＦ高（左）（右はＧ大阪ＦＷリンス）

　中国からやってきた１８６センチのＤＦが、Ｊ１優勝候補に敢然と立ち向かった。高は「相手はうまくて攻め込まれた時もあったが、気持ちよくプレーできた。私は開幕戦に出るつもりで日本に来ましたので」と、３月２日・岡山戦のスタメン争いへ名乗りを上げた。

　１試合目の後半開始からピッチに送り出されると、ブラジル人ＦＷリンスの前でハイボールをはね返した。元日本代表ＦＷ宇佐美のドリブルには、体を張って猛突進。主力をそろえたＧ大阪を４５分間、無失点に封じた。定位置獲得へのアピールは守備だけにとどまらない。同２７分、攻め上がった右ＣＫのこぼれ球を逆サイドで拾い、そのまま右足でクロス。ゴール前に飛び込んだＦＷ苔口の同点弾をアシストした。

　安間貴義監督（４４）は「戦術的なことを何も教わっていない状態だが、身体能力は申し分ない。Ｊリーグの選手をほとんど知らないので、臆するところがないのもいい」と評価。Ｊ１クラブも興味を示す中、昨年のＵ―１８中国代表の試合映像をチェックして獲得ゴーサインを出しただけに「あとは体力がつけば戦力になる」と期待した。

　新天地でも孤独感はない。中朝国境に近い吉林省出身で韓国語も操る。“兄貴分”の韓国人ＭＦソ・ヨンドクが「性格は明るくてマジメ」と評すように、早くも溶け込んでいる様子だ。

　２日の宮崎合宿から本格的にチーム戦術を学び始めたばかり。当初はＤＦ御厨、平出ら昨季主力組の負傷離脱に備えてのテスト起用だったが、５日のＪ１柏戦（鹿児島）でもＦＷレアンドロ・ドミンゲスを前半４５分間、無失点に抑えた。「いい経験が積めている。気を抜かず頑張る」。あどけない表情の１８歳だが、その目は確かに開幕戦を見据えていた。

　◆高　准翼（コ・ジュンイ）１９９５年８月２１日、中国・吉林省生まれ。１８歳。右利きのＤＦ。８歳からサッカーを始める。０９年に上海幸運星に入団。今季、富山と初めてプロ契約を結んだ。Ｕ―１８中国代表。父・高仲勲（コ・ジュンフン）さんは元中国代表ＭＦ。趣味はバスケットボール。高の英語表記がＧＡＯのため、愛称は「ガオ」。背番号２０。１８６センチ、７０キロ。血液型Ｏ。