政府や自治体が持つ情報を生かした創作活動を対象とした「オープンデータ・アプリ」総務大臣奨励賞に、明石高専（明石市）専攻科２年の松田裕貴さん（２１）＝加古川市＝らが選ばれた。大都市にある大量の街灯のデータを活用して、明るく安全な道を選択できるアプリの作成が評価された。松田さんは「開発を通じて、さまざまな人とつながることの重要さを学んだ」と話す。（金山成美）

　市民が自由に使える公共のオープンデータの活用は世界的な課題となっている。企業や研究者による活発な活用を促すために、総務省は初めて同賞を設けた。松田さんは機械・電子システム工学専攻で、講師の新井イスマイルさん（３４）＝明石市＝とともに受賞した。

　受賞作品名は「ＮＧＹ（ナゴヤ）Ｎｉｇｈｔ　Ｓｔｒｅｅｔ　Ａｄｖｉｓｏｒ～明るい夜道を案内する安心・安全な歩行者ナビゲーションシステム」。

　情報提供に応じた名古屋市から、市内に約１０万カ所ある街灯のデータを入手。設置情報を基に、夜道の明るさを地図上に反映させ、ルート検索できるアプリを作成した。道案内機能もあり、出発地と目的地を入力すると、より明るい道を選んでルートが示される。

　今月２日、東京都内で表彰された。松田さんは、企画・開発する中で、行政や高専の研究仲間らから協力やヒントを得たことを振り返り、「今後も期待に応えられるような活動をしたい」と話した。

　「オープンデータの活用を本格化して１年で評価していただいたことに驚き、協力いただいた方々に感謝している。全国のオープンデータ活動の参考になれば幸い」と新井講師。本年度から力を入れている兵庫県の取り組みにも関わっており、「一層成果を挙げていきたい」と語った。