中国外務省は6日、北朝鮮による初の水爆実験実施の発表を受け「核実験に断固として反対する」と強く反発する声明を出した。同省の華春瑩副報道局長は同日の記者会見で「当然、北朝鮮の大使を呼んで厳正な申し入れを行う」と表明、抗議する方針を示した。また「中国側は事前には知らなかった」とし、通知がなかったことを明らかにした。
中国は、北朝鮮が2013年2月に核実験を強行した際には同様の表現で同国を非難した後、圧力を強めている。今回の水爆実験の発表を受け、北朝鮮への締め付けを強める可能性が高い。
朝鮮戦争をともに戦った中国と北朝鮮は“血で結ばれた戦友”で、北朝鮮の後ろ盾は中国と見る向きも多いが、実はそうではない。
中国事情通は「3代続いている金ファミリーの北朝鮮指導部は狡猾で、冷戦時にはソ連についたりして、中国からも莫大な援助を引き出していた。中国一辺倒ではないのです。それだけに中国は常に、困窮した北朝鮮が核兵器を中国に使用することを心配しているんです」と言う。
それでも中国は、国際的批判を受けながら北朝鮮との密接な経済関係を維持してきた。今回、北朝鮮はその中国を裏切った。しかもその核実験には外交戦略が見えない。これまで北朝鮮は緊張を高めながら、核実験と弾道ミサイルの試射をセットで実施するケースが目立ったが、今回の実験は単独で唐突だ。なぜ核実験に踏み切ったのか。
同事情通は万が一の可能性をこう指摘する。
「国際的経済制裁を受けている北朝鮮は、輸出して外貨を稼げるものがない。その点、核爆弾は国際市場で競争相手がいない。水爆実験成功というのは、大きなアピールになります。反米国家やイスラム国などのテロ組織にとって、北朝鮮の核爆弾は魅力的に見えます。何より核爆弾というものは、直接その物を売らなくていいのです。技術者をその国に派遣すればいいのですから」
確かに“世界最貧国”と言われる北朝鮮ができたのならば、どこの国、組織にある資源、物資でも核爆弾を製造可能ということになるが…。
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