「ダークダックスのゲタさん」喜早哲さん、85歳で3月末に死去

2016年4月4日6時0分  スポーツ報知
  • 1979年当時のダークダックス(左から高見沢宏さん、佐々木行、喜早哲さん、遠山一)

 男性コーラスグループ「ダークダックス」のバリトン担当で、「ゲタさん」の愛称で親しまれた喜早哲(きそう・てつ)さんが3月26日に死去していたことが3日、分かった。85歳だった。以前から病気療養中だった。東京・品川区の桐ケ谷斎場で3日、長男の冬比古さん(56)が喪主を務め葬儀・告別式が営まれた。

 日本を代表するコーラスグループのメンバーが、天国へと旅立った。喜早さんは1930年、東京都生まれ。慶大経済学部在学中の51年に同大学男声合唱団の佐々木行(マンガ)、遠山一(ゾウ)の3人でダークダックスを結成。翌52年に高見沢宏さん(パク)=故人=が加わり4人組として活躍した。

 喜早さんはバス(低音)とテノール(高音)の中間にあたるバリトンを担当。顔の形、見た目の印象から「ゲタ」の愛称で親しまれた。社交的な性格から、グループのリーダー的存在として積極的に発言し、まとめ役となっていた。また、日本エッセイスト・クラブ会員で、「日本の抒情歌」「日本の美しい歌 ダークダックスの半世紀」などを出版、文才も発揮した。

 ダークダックスは57年にロシア民謡の「ともしび」をヒットさせると「雪山讃歌」、「北上夜曲」、「山男の歌」などヒット曲を連発。紅白歌合戦には58年の第9回からの14回連続を含む通算15回出場した。93年には紫綬褒章を受章。「世界最長寿コーラスグループ」としてギネスブックにも認定された。

 佐々木が体調を崩し98年からは3人で活動。2011年に高見沢さんが亡くなった際は、告別式で「ダークダックスの歌をもっと広く知られるよう勉強していきます。天国から応援してください」と弔辞を読んでいた。

 関係者によると、最近は病気のため体が細くなり、外に出ることがなかったという。所属事務所関係者はスポーツ報知の取材に「ご家族の意向もあり、静かに送ってあげたい」と多くは語らなかった。

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