誰かに未来を語る前に憑依芸人とメソッド演技法くらいは調べとけ
憑依型になれるかどうかでビジネスの成否は決まる
大学に通う電車の中でいつもラジオを聞いてたんですよ。言うまでもないけどダウンタウンの松本さんと構成作家の高須光聖さんの「放送室」ね。何回もおもしろさに耐え切れず激笑いしてしまうことがあってあの頃は毎日が修行でしたね。
放送室では異常な価値観が作り出すカルチャーの洗礼を与えられるショッキングな話ばかりが繰り広げられており、その中でも特に自分の記憶に残っているのが「憑依芸人」の話でした。
憑依芸人
憑依芸人(ひょういげいにん)とは、喜劇やコントなどの場で、自分とは全く別のキャラクターになり切ることができるアーティスティックなコメディアンのこと。その姿がまるで霊に「憑依」されたかのように、まったくの別人の如く振る舞うことからこう呼ばれるようになった。
なんでそこに興味を持ったかというと、当時の僕は自己表現の1つの手段である「演じること」の楽しさに開眼し、学生ながらいくつか映画に出演していた頃だったから。チョイでもないゴミみたいな役でね。だから演じるということに興味があり余計にその時の話がおもしろかった記憶がある。
ほんで最近、うちの黒田とチャリンコに乗って話しながら帰ってた時に多重人格の話になり、それが飛躍してビジネスではTPOに応じて人格を変える必要性があるという話になった。その時に思い出したのがこの「憑依芸人」の話。
何がいいたいかと言うと僕はリアリティの覇者「憑依芸人」だってことね。
役者として活動している時から周りの先輩には「おまえは憑依型」だなとよく言われていました。演じている時にこの役ならこんな言動をするだろうなと意識するのではなくて、自分の意識を騙すというか自然とその言葉が出てくるリアルな感情を無意識で作り出していました。
ゴミみたいな役しか舞い込んでこないのに役者としての意識だけは高かった自分は、いま自分が無意識に出来ていることの言語化と、より演技へのリアリズムの追求を加速させたくて大学の勉強もせずにとことん演技を追求していました。先天的という言葉が嫌いなんです。だから意識して使いこなせるようになりたかった。
そうこうするうちにいちばん自分がやっている演技に近い方法論として演技の殿堂、NYの「アクターズ・スタジオ」で実践される「メソッド演技法」なるものを見つけたのです。
メソッド演技法
メソッド演技の特徴としては、担当する役柄や劇中での状況やその感情に応じて、より自然な形で演技を行う点である。メソッド以前の演劇においては、役者は役作りや演技を行う際は、発声や仕草、パントマイムなどのテクニックを使用し、感情や役柄の表現を行っていたが、メソッドでは、そうした形式的で表現主義的な古典的な演劇手法と距離を置き、より現実と近い、自然な演技を追求している。
メソッド演技の本を読み漁っているうちにおもしれぇって没頭し、自分の部屋にこもって練習したり、ワークショップに行って実践してみたり、同じワークショップ参加者の息が臭いおっさんとかおばはんらと泣きあったり、笑いあったり、無人島で生き残った奴らを演じてみたり。もろもろ結構頑張ったのに実際の映画の撮影では何の役にも立たなかったり。
僕、頭おかしかったんですよ。
でも何もかもが「Connecting The Dots」だったといまは感じてます。
プレゼンの時、商談の時、ビジョナリーな時、営業を煽る時、それぞれの役割に応じて人格と発する言葉が自然と変わる。すべてに共通しているのは「不確実な未来」に極限までリアリティを持たせるために、リアルな過去の自分の感情と事象を織り交ぜながら自分が見ている未来を当たり前に語ること。そこで発せられる1つ1つの言葉にリアリティが宿り、あたかもその空間だけ未来にいるように思わせてしまう。
この形が「憑依芸人」であり、空想に極限までリアリズムをもたらす「メソッド演技法」の為せる技なのかなとも思ってる。みんなスティーブ・ジョブズの「現実歪曲空間」はすごいとかいうけど、たぶん本当にすごいのはアップルのカンファレンスでプレゼンをしてるジョブズではなくて、ビジネスの交渉の場でのジョブズやろうな。
反射神経レベルでこの技術を身につけている人が増えれば、未来への投資が活性化してもっと明るい世界に変わる。だからみんな、やれ!
ネーティネーティ、NO DISGUST, NO LIFE
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代表取締役社長/CEO