前編はこちら→「中高で女子と喋ったのは4回のみ」
──黒田君はどんな女優というか女性の、どういう部分に興奮するの? 「ビジュアルで興奮するのは手足が長い人、爪が綺麗な人、髪の色が明るい人ですね」 ──胸とか尻は? 「脚とお尻が好き。下半身が好きですね。性格は性にだらしない人が好きですね」 ──やはり、ヤリマンということ? 「ヤリマンもそうだし、性に探究心がある人が好きです。屋外でやりたがるとか。普通にデートしてるときに『ビルの陰にいこうよ』とか言ってくる女の子が好きですね」 ──あと、清楚なタイプが実はヤリマンとかのギャップはどう? 「あ、おとなしそうな人がそういうのだったりしたほうが燃えるかもしれない」 ──つぼみちゃん(AV女優)みたいな黒髪の優等生タイプのコが実はサセコだったとか。 「うん、それも好きですね。でも、わかりやすい派手なビッチの方が好きですね」 ──熟女はどうなの? 「好きですよ。若いコも大好きだけど、30歳から40歳ぐらいの人も味があっていいですよね。熟女というより、旦那さんがいる人妻が好きなんです。『旦那さんがいるのに俺とやってんだ』っていう背徳感に興奮するので」 ──SEXのよさを知ってから浮気の快感にめざめたというのもそういうこと? 「そうです。あ、僕が興奮する性癖の原点はそこですね。背徳感ですね」 ──あーなるほど。男優の話に戻るけど、始まりから、まず自分の思惑と違ってイケメン枠に入れられたということですね。 「そうですね。全然思ってなかった」 ──しかしねぇ、どう見てもイケメンだよ黒田君は! 「いや、普通に街を歩いてても自分よりカッコいい奴はゴマンといるから自分のことカッコいいと思ったことないです」 ──ほかの男優を見渡して、カッコいいなと思う人はいる? 「南佳也さんとか戸川夏也さんとか、一徹君、阿川陽志君、あのへんカッコいいと思いますね」 ──なるほどなるほど。 「あと、男優としてすごいなと思ったのは桜井ちんたろうさん」 ──スキンヘッドのコワモテのね。何に感心させられたの? 「勃ちがすごい、あとSEXがめちゃくちゃ上手いんですよ。僕と森林原人君が2人がかりで全然声を出させることができなかった女の子をすごいイカせまくってて、ビックリしましたね。僕が23歳のときでした」 ──彼はそんなスキルの持ち主だったんだ。 「あぁAV男優のテクニックってこういうのなんだって思いました。帰りに森林原人君と話しながら、『やっぱり全然違うんだねぇ』って」 ──いい話だなぁ。今やトップ同士の2人にもそんな新人時代があったんですね。2人のキャリアはほとんど同じだよね? 「彼が僕より2ヶ月あと(に業界入り)です」 ──こんなコとSEXできるんだ!? というトキメキは? 「すごくタイプの女の子が来たら、いまだに震えますよ」 ──デビュー作の女優の初カラミ担当になったときは緊張したりするの? 「そんな気負いはないです。気負ってSEXしてもいいことないですから。出たとこ勝負って感じですね」 ──今、月に何日くらい休みを取ってるの? 「2〜3日。ほかの売れてる男優もだいたいそれくらいですね」 ──日常のSEXってどうなの。 「恒常的にずっとやってますよ」 ──じゃあ今、20歳で覚醒した「SEXこそ人生だ」は実現できているということだ。 「そうですね」 ──転職を考えたことは? 「ないです。これしかできないですから。ほかの仕事したことないし、自分の分がわかってますから」 ──具体的に男優になってよかったことは? 「人が体験できないことをいっぱいやれる。h.m.pの現場でしたけど、僕のセフレつれてって本物の夫婦とスワッピングする変わった作品で。その旦那がすごいんですよ。必ず1日4回SEXするらしいんですけど、家の茶の間で朝の教育番組が流れてるときに、ちっちゃい子供がいる前で『今からママと愛し合うからねー』って早朝SEXし始めるらしいんですよ。子供も何回も見て慣れちゃってるから、SEXしてる横で普通にテレビ見てるっていう(笑)」 ──そういう話を聞けるというのは本当に貴重だよね。 「普通こういう話はタブーじゃないですか。でもAV業界は開けっぴろげだし」 ──男優になってよかった? 「よかった。性格が絶対変わります。みんなそうですよAV男優は。若手のときのキャラクターが変わって、10年経ったら別人になってますね。いろんな人と接していろんなことを吸収していくから厚みが出るというか」 ──わかります。今、高齢者男優も花盛り。これを読んで、AV男優になりたいと思った人に向けて、男優として大切なことを挙げてもらえますか。 「清潔感と、女優にイヤな思いをさせないこと。たとえば、痛がるのに無理やり潮を吹かせたりしない。自分のエゴを当て込めてもいい結果は出ないから、相手に合わせる。あと、時間は守る」 ──遅刻はみんなが迷惑するからね。 「ほんと、こんなだらしない仕事してるんだから、時間くらい守れよって話ですもんね。なるべく気をつけてます」 ──初体験の感想をノートに書いて以降、仕事に関して思ったことをメモしたりは? 「ケータイにメモしてます。すぐに忘れちゃうんで。たとえば『予定調和はやめる』『カラミにフックを作る』『人の期待を裏切る』『照れを捨てる』『自分がのめり込む』『相手から目をそらさない』とか」 ──「予定調和をやめる」というのは「人の期待を裏切る」とつながる? 「アイデアポケットで撮ってるオシリハカセ監督に『黒田さんはクールすぎるからダメ』って。『だから女の子が熱くならないんだ』っていわれて、すごくグッと来たんですよ。その頃はS1のデジタルモザイクのカラミを引きずってたんですね」 ──男優は個性を殺して女優のカラダをよりよく見せるというね。 「それが身についちゃってたんで、オシリハカセ監督に4年ぐらい前にそういわれて、次の1年間は自分の恥も捨てて、(SEXおよび相手に)溺れるようにしたら、仕事の質が上がっていったんですよね」 ──ひとつのターニングポイントだ。 「あと僕、男優を始めた頃は女優から嫌われてもいいと思ってたんです。昔は距離感を持って突き放したカラミをしてたんですよ。それが何かのときに、女の子あってのAVだなと思うようになって、接し方も変わってきたんです。業界に入ってからの変化ってこのへんですね」 ──監督業をやることで、男優業にプラスになったことってありますか。 「奥出哲雄さんというプロデューサーさんとの出会いが、監督をやるようになったきっかけなんですが、『男優を続けていくなら、作品がどうやって編集されて作られているのか知っておいたほうがいい』といわれたんです」 ──奥出さんといえば、ある意味で伝説的な人物ですね。 「悪しきレジェンドですね。業界タブーともいえる存在でしたけど、コアマガジンに紹介してくれてコラムを書く仕事に挑戦させてもらえましたし、僕にとっては感謝してもしきれない人です」 ──監督として、特に撮ってみたいジャンルはあるんでしょうか。 「ニューハーフものを撮ってみたいですね。趣味と実益を兼ねて。あと、ハメ撮りものをやってみたいです。今までは監督という立場を明確にしたいがために、あえて意識的に自分の監督作には自らは出演しないようにしてたんですけど、8年ぶりに監督復帰していざハメ撮りをやってみたら、自分じゃないと引き出せないものが僕のハメ撮りにはあるかもしれないって気づいたんです。表現する手段としてハメ撮りも悪くないなって。今まで変に意地を張りすぎてたなと」 ──監督として、使いたい男優は? 「森林(原人)君が一番使いやすいですね。僕がやらなそうなことをやってくれて、でも道から大きく逸れないから。バランス感覚がすごく上手い」 ──いろんな監督とつき合ってきたから、演出を自分の作品に取り入れることは? 「真似しますよ。人の真似することに抵抗とかないんで。現場で見て、これエロいなと思ったら同じことをやりますね」 ──ほかのAV監督にはない黒田監督作品ならではの魅力はどこにあると考えてるんでしょう。 「神波多一花ちゃんの『M字痴女トランスセックス 神波多一花』は、敢えてエロだけに特化して撮ろうと思ったんですけど、編集終わってみたら味付けがさびしく感じました。僕本来の監督スタイルは、エロにプラスアルファの何かを味付けするスタイルです。一般的なAVってオナニーツールだからオナニーできるシーンばかりじゃないですか。でも僕は、バクシーシ山下さん、カンパニー松尾さん作品にあるドキュメント性も好き。なので、そういうドキュメント部分も作品の中に取り込みながら、しかもちゃんとヌケルような、バランスがいい作品がベストだと思うんです。僕はそういうの得意だなって、自分で思い込んでます」 ──まさに今月放送されている『みんなでパコろッ!SEXだいすきヤリマンギャル 一条リオン』もそうですよね。あと、監督として、現役の女優で起用したい人っています? 「(即答)緒奈もえちゃん。Kawaii専属の」 ──この1月にデビューしたコだ。まだ見てないんですよね僕。 「デビュー作で一緒になったんですけど、カラダのフォルムが僕の好みとドンピシャだし、ちょっと変態っぽさもあって好きです。できるなら撮ってみたいですね」 ──監督・黒田悠斗にこれからも注目したいと思います。最後にひとことお願いします。 「そうですね。わざわざ男優に演出を頼んでくれるわけだから、裏をかいたもの、AV監督が撮らないような作品を撮ろうと思っています」 ──今日はどうもありがとうございました!
Profile 黒田悠斗(くろだゆうと)1975年長崎県生まれ。20歳での童貞喪失を経てSEXの快楽に大覚醒。大学卒業後はAV男優業を志し、AVメーカー各社に自身の宣材を送る。1999年6月のクリスタル映像の現場でAV男優デビュー。2001年に『The 姉妹』(ネクストイレブン)で監督デビュー。トップAV男優のひとりとして活躍しながら、『素●生ハメfile』『ロリロリパイパン早乙女みなき』など、監督業でも異才を発揮している。
文・沢木毅彦 さわき・たけひこ 1961年生まれ。フリーライター。AV草創期よりAV専門誌にレビュー、取材記事を寄稿。月刊誌、週刊誌、WEBで細々と執筆中。香港映画と香港街歩きマニア。ビールは香港の海鮮屋台で飲むサンミゲル(生力)とブルーガール(藍妹)が最好。 twitter:@berugiisan
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