ほのぼの制作日記

2016年3月25日

声優は個性が大切

三ツ矢 雄二

どーも!TJです。
いよいよ春到来ですね~。春っていうだけで、気持ちがウキウキしちゃいますね。
そんなことより、今回は三ツ矢雄二さんです。
2月20日に劇場公開されたソニー・ピクチャーズ作品『モンスター・ホテル2』の吹替収録前にインタビューさせていただきました。
僕の中では三ツ矢さんは、かなり個性的な役を演じているイメージ。三ツ矢さんの声を聞くだけで、いろんなアニメを思い出します。

三ツ矢雄二

三ツ矢 雄二(みつや ゆうじ)
声優、俳優、舞台脚本家、演出家、音響監督として幅広く活躍。劇団アルターエゴ主宰。
三ツ矢雄二さんの出演作はこちら

TJ

約40年間にわたるキャリアをお持ちですが、長年第一線で活躍し続ける秘訣は何ですか?

三ツ矢雄二

秘訣っていうと、ちゃらんぽらんに見えるかもしれませんが、根はまじめだっていうところかな。1本1本の仕事に誠心誠意をこめて関わってきた結果が、今につながっているんじゃないかなと思います。

TJ

吹替をする上でこだわっていることは何かありますか?

三ツ矢雄二

アニメーションの場合だと、キャラクターをどう面白くするかというところから考えます。洋画の吹替の場合は、まず海外の俳優さんがいて、その人が有名であればあるほど一般の方がイメージをお持ちなので、その俳優さんに即した演技や声を第一に考えながらやっています。みなさんのイメージを壊さないようにしつつ、どこか自分じゃなきゃできない何か、プラスアルファを加味して演じています。

TJ

今思い返して、「ターニングポイントだったな」と思う役はありますか?

三ツ矢雄二

洋画は、テレビで『アマデウス』を吹き替えた時ですね。名作と言われていて、しかも周りをベテランの方たちが固めている中に、若手がぽんと入ったような感じだったので、すごくプレッシャーがありました。でも、終わった時に皆さんにすごくほめていただいて。それまでもたくさん吹替をやってはいたんですが、初めて洋画の代表作ができたと思いました。その後は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』が僕の中では大きな存在で、甲乙つけがたい感じです。
アニメは、「タッチ」が終わって「キテレツ大百科」のトンガリ君を始めた時からまるでキャラが変わって、アニメはもう二枚目役は来なくなりましたね(笑)。動物とか物とか宇宙人とか、そんなのばっかりやっています。
メインキャラよりも、脇で面白くて、味のある役や、一癖二癖ありそうな役の方が今は興味ありますね。

TJ

舞台出演や演出、音響監督、執筆など幅広く活躍されていますが、そのエネルギーの源は?

三ツ矢雄二

寝ること(笑)。寝ないとだめですね。平均8時間、長い時は12時間くらい寝ます。

TJ

これから進出したい分野はありますか?

三ツ矢雄二

もちろん声の仕事も喜んでやらせてもらいますが、これからは自分の好きなこともやっていきたいですね。実は歌をやってみたいなと思っていて。ライブハウスでいいから、少し歌を始めようかなと思っています。
あと、ずっと脚本や詩は書いているので、何か書く仕事をまとまってできればと思っています。

TJ

今回出演いただいた『モンスター・ホテル2』の感想を聞かせてください。

三ツ矢雄二

モンスターが結婚して子どもが生まれるなんていう話、あんまりないですよね。モンスターの話というと、どうしてもおどろおどろしくなってしまいがちですが、これはあっけらかんとしていて、コメディとしてもすごく面白い作品。全然怖くないし、まったくのエンタテインメントなので、家族やカップルで見に行くにはちょうどいい作品だと思います。
自分はミイラの役をやってるんですけど、すごく太ってるキャラクターだと思っていたら、実は痩せてたってことがわかって(笑)、そこが今回一番の驚きでした。
役作りの上では、前作でやったこととかけ離れないようにすることと、どちらかというと取り巻きの中の一人なので、自分の色みたいなものをしっかり出すことを心がけました。誰かとかぶったら面白くないので、自分の色を出そうというのは常に思っています。

TJ

最後に、声優を目指す人にアドバイスを。

三ツ矢雄二

最近の人はみんな似てますよね。声質や声の出し方、しゃべり方も似通ってるから、こんなにたくさんいる新人声優さんたちが皆、同じようなしゃべり方をしていていいのかなと思うこともあります。「自分の個性はなんだろう、自分の声はどうすれば生きるだろう」って考えるとか、機会があればちょっと冒険して、まったく自分が思っていたのではないことにチャレンジしてみるとか。自分の思っていたのとは違う役柄にチャレンジするような機会があれば、そこでまたすごく幅が広がるんじゃないかなと思います。
今、声優さんたちは学校でレッスンを受けていて、それが悪いこととは思わないんですが、やっぱり一番大切なのは芝居、演技力。たくさん舞台をやったりして、自分の演技力というものを磨いてほしいですね。
長く続けていらっしゃる人って、みんな個性的だと思うんです。同じような声の人が5人いても、結局残るのは個性を持っている人や、演技力が優れている人なので。
新人だからこそできる冒険もあると思うので、いろいろなことを恐れずにトライして、自分だけの個性をつかんでほしいなと思いますね。

本当に偉大な声優さんだとしみじみ実感したインタビューでした。
アニメ作品はもちろん、洋画にもぜひどんどん出演いただいて、ハリウッドスターの吹替を担当いただきたいなと思っています。それじゃ、また!