中国新聞LEADERS倶楽部
2009年新春トップインタビュー 広島のトップが想いを語る。

家族のような愛情介護に注ぐ

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理事長
石田 晃司氏
(いしだ こうじ)

―事業の核である高齢者総合サービスセンター「チェリーゴード」(広島県府中町)とは、どのような施設ですか。

特別養護老人ホームや老人保健施設など総計320床の入所施設、デイサービスなどの通所施設、訪問介護を行うヘルパー事業所、クリニック(内科)など計15の事業を約1万5000平方メートルの敷地で展開しています。同一敷地内に15の事業所の集まる複合施設は全国的にも珍しいと思います。

―多くのサービスを集めた複合施設のメリットは。

通所から入所まで介護度や必要に応じたサービスが提供できるのが何よりの魅力です。もし、介護度が上がった場合も、ご家族と連携を取りながら、適切なサービスへの移行がスムーズに行えます。

―『ライバルは、ご家族です。』をコピーとした新聞広告が「中国新聞広告賞」を受賞し、話題となりました。

「ライバルは―」は、「知識や技術より先に、ご家族に負けない深い愛情を持ってご利用者に接しよう」という私たちのモットー。「良質の介護」とは、効率を優先したり過剰な介護を提供したりするものではなく、時間を費やしてでもご利用者自身ができることは忍耐強く見守ることだと思っています。それは、ご利用者に対して自分の家族のような愛情を抱いていなければ、なかなかできないことです。

―介護の現場では、人材不足や定着率の低さが問題となっています。

介護福祉士の資格を持つ人は、全国に約64万人もいますが、実働者は47万人に満たず、年間の離職率は約20%と言われています。当施設では現在、約300人が働き、今期の離職率は7%以下の見込みです。ある程度の定着率を維持できたのは「ライバルは、ご家族です。」の精神が職員に浸透してきたからだと実感しています。今後も、ご利用者やご家族に満足していただくだけではなく、職員にとってもやりがいにつながる介護のあり方を追求してまいります。

―高齢化が加速する中で、どのような施設を目指しますか。

認知症や寝たきりの方など介護の必要性が高い方を受け入れる施設のニーズは年々高まる一方です。当施設の特別養護老人ホームを待機されている方は現在、400人を超えました。今後も個々のニーズにきめ細かく対応できる「良質な介護」を実践しながら、業容を拡大していき、地域に信頼される施設でありたいと思っております。

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チェリーゴード
法人概要
法人名社会福祉法人FIG福祉会
所在地〒735-0014
広島県安芸郡府中町柳ケ丘20-2
TEL(082)508-0222
設立1991年3月
事業内容高齢者介護、福祉施設「高齢者総合サービスセンターチェリーゴード」並びに保育事業「ピッコロゴード保育園」の運営
従業員数294人(2008年10月現在)
関連会社学校法人府中石田学院、つばめ幼稚園、医療法人エフアイジイ櫻クリニック、(株)チェリーゴードケア、(株)チェリーゴードサービス、(有)石田商店
ホームページhttp://www.fig-g.jp/