GMOゲームポットについて

昨今のゲーム市場について

普段からゲームをしている人はもちろん、既にいい年になりながらも暇つぶしには最適と言ってゲームを趣味にしている人達からすれば、昨今のゲーム市場をどう俯瞰しているだろうか。個人的な感想を述べさせてもらうとするなら、ここまで来たかという印象を持つ。筆者も幼少の頃から日常生活においてゲームはいつもそこにあるものだった、親からある程度プレイについての制限を受けることもあったため、世間一般的に言うひきこもり系ゲームユーザーにはならなかったので幸いだが、それでも一般的な視点からいうならゲーマーの一人だ。ただ最近の市場を見ると時々ついていけなくなる時がある。もちろん発達している点については良いことだと認識はしているが、それ以上にこの30年近い時間の中でゲームと呼ばれる概念は一変するように変化している様には圧倒されるばかりだ。

かつてゲームと言えば店頭で販売されているソフトを購入して、対応ハードで起動してプレイするのが主だったものが、今ではネットでダウンロード販売できるようにまでになる。ゲーム市場の革新は日本、ひいては世界規模におけるインターネットの導入と革命が大きく関係している。そしてその技術をゲーム市場に取り込むことにより、これまで空想の中でしか語られてこなかった概念が着実に現実で形を為そうとするまでになっている。技術の進化レベルというものは本当に恐ろしいものだと、どこか感慨深くなってしまう。

また20世紀末期から21世紀にかけて確実に市場を展開していった代表としては、オンラインゲームを置いて語る他ない。日本でもパソコンが家庭に一台あるのが当然と言われるようになるまで、多くの人が精密機械の塊であるパソコンを所有するようになった。そしてそんなパソコンのインターネットを利用して自分の知らない人達と交流を交わせるようになると同時に、ゲームを介したコミュニケーションまで誕生する。そんなオンラインゲームを運営し、かつ他国で開発されたゲームを持ち込んで日本で話題を呼び続けている『GMOゲームポット株式会社』を参考に、最近のゲーム事情を考えてみよう。

オンラインゲーム黎明期に設立

まずは簡単にGMOゲームポットについて話をすると、始まりは2001年の頃にまで遡る。その年の5月に国産及び海外で開発されたオンラインゲームを日本国内で運営する企業として誕生し、現在では日本のオンラインゲーム市場においては古参の企業としてその名を馳せている。オンライゲームをしている人は名前くらいは聞いたことがあるだろう、ゲームをしていなくても企業名が独り歩きして名前が通っていれば企業としてはありがたいものだ。

ゲームポットはオンラインゲーム市場が国民的人気を博しており、その結果で社会問題にまで発展している韓国の企業『ガガメルドットコム』と日本の企業『株式会社コミュニケーションオンライン(現株式会社アエリア)』とが合併したことにより誕生した。現在では主力企業は親会社であるGMOインターネットの子会社化されており、2000年代初頭から中期までに盛んだったオンラインゲーム市場で数々のヒット作を運営し、その名を一通り広めることに成功する。

しかし企業としてそのまま運営していければ良かったのだが、前述の子会社化された経緯やあらましについて言及するならば、おおよそゲームポットが行ってきた企業としてのコンプライアンスを自ら貶めるような事態を引き起こしてしまう。

個人情報の紛失

企業にとって顧客の個人情報を守るのは当然、最近ではプライバシーポリシーと呼ばれるものまで制定されるほどに厳重化されている。ゲームポットの不祥事はまだIT技術は世間一般に浸透仕切っていなかった2006年に、個人情報が入ったサーバ用ハードディスクを何と30台も紛失してしまった。これにより情報が流出したと考えられる顧客に関しては、パスワードなどの変更をするよう求めたがそれだけでは済まなかった。

現在でも稼働している代表的なオンラインゲームがこの紛失事件により一時的な長期間サービスの停止を余儀なくされてしまう。

クラッキング騒動

企業のサイトと言っても基本的には人が作り出したものであるため、それなりに技術を持っている人間が不正アクセスを仕掛けることも容易い話。技術面でかなりの高度さを求められるが、そうした人たちが必ずしも良心的な心を持っているわけではない。2008年、ゲームポットはやはり主力オンラインゲームによる被害を被ることとなり、今度は公式サイトが外部からのクラッキングを受け、悪意のあるサイトへ誘導されるウィルスに感染するように作り変えられてしまう。

企業としてはいい迷惑だったが、2日後には一時メンテンナンスと称してサイトを一時的に閉鎖し、その後サイト復旧に成功する。ただ閉鎖されてから12時間後の復旧という点を見ると、相当な被害だったことを伺わせる顛末だったという。

オンラインゲームの形

個人情報の紛失にクラッキング、さらには独自に行なっていた課金制度についても2010年に制定された資金決済に関する法律が施行されると共に廃止されるなど、様々な事態に直面する。この頃になるとオンラインゲームが中毒性の高く、依存性が高い危険なものなのではといったような見方をされるようになる。実際、その頃韓国ではオンラインゲーム上でのトラブルが現実問題として殺傷事件まで引き起こしてしまうなど、日本でも着実に普及し始めていたオンラインゲーム市場に少なからず影響をもたらした。

オンラインゲームに限らないが、ゲームをしているとどうしても長時間のプレイに興じてしまう人が出てきてしまうもの。それによって中には同居している家族に多大な迷惑をかけてしまうなど、様々な問題が噴出する様も日本で確認されている。そこまでのめり込むことだろうかと思うが、中毒性という点についてのみ挙げればその効果は絶大だ。

ゲームポットとしてもそういった現象を引き起こすほどに話題作を世に送り込んでいるため、利益として懐具合を潤沢にしている点を鑑みれば痛し痒しといったところだろう。ゲームは適度に程よく遊ぶもの、この言葉の価値がどれほど重い意味を持っていかを成人してから思い知った人も多いはずだ。

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