過去放送記録

FILE003:「宇宙人はどこにいるのか?」

2007年5月11日放送

 

井田茂(惑星科学)

『宇宙人はいるのか・・・?』 この素朴な疑問は、すべての人が一度は抱いたと言っても過言ではないだろう。その疑問に対し、いま世界の最先端ではどこまで分かっているのかを答えるのに最も相応しい人物、それが東京工業大学の井田茂教授だ。

ほんの11年半前までは、宇宙人はおろか、太陽系以外の惑星すらただの一つも見つかってはいなかった。ところが、今や見つかった惑星は200を越えている。もはや地球は「特別な」星ではなくなりつつあるのだ。

地球のように、生命を育む環境を持つ星はどれくらいあるのか・・・?

井田教授は、「こういう条件ならこういう惑星が出来上がる」という惑星形成理論の分野で世界のトップクラスにいる。その井田教授がまさに今取り組んでいるのが、「生命を持つ星」が出来る条件の研究だ。つまり、井田教授は宇宙にはどのくらい地球外生命がいるのかという課題に真正面からぶつかっている。

人類共通の疑問と戦う世界の最前線に爆笑問題が飛び込む。

井田茂(いだしげる)
1960年生まれ。東京工業大学理学部地球惑星科学科教授。およそ一年という短時間で月ができたことを示すなど、常に世界を驚かせる研究を続けている。

放送内容が書籍になりました。詳しくはこちら
http://www.nhk.or.jp/bakumon/book_dvd/

爆笑問題の対戦感想

田中:地球外生命がいるとはおっしゃっていましたが、E.T.とか、ああいうのはやっぱりいないんだ。
太田:いないんでしょうね。恐らく。
田中:駄目か…。
太田:でも逆に、何か別の生命がいる確率は、我々が思っていたよりも先生は高いと見ていますね。
田中:我々って何だ、おまえは。
太田:僕は科学者の立場。
田中:科学者の立場って何だよ。
太田:地球外生命体なんて無いんだっていうのはよく聞くけど、先生は地球の近くに…
田中:おれも10%ぐらいはあるって聞いて、それはうれしかった。
太田:だからそういうのは意外と我々が思っているより早くに、「地球外生命が見つかりました」みたいなことになるかもしれない。
田中:そうするといいね。でも、全然人間っぽくないのかな。
太田:それこそ菌とかさ。
田中:それはがっかりだね。
太田:がっかりか? それが見つかったらすごいよ。
田中:どういうのって聞いてみたら、こういうバクテリアみたいなのって…。まだもう少しトカゲぐらいのものだったら。ぜいたくなんですかね?それは。
太田:トカゲだったらがっかりだよ。「結局トカゲかよ」って。地球と同じものだったらがっかりだね。
田中:でも先生は本当に、すごく何でも分かりやすく説明しようとして下さって、グラフを書き出した時は、ちょっと難しそうだなって思ったんだけど、言っている内容はわかりやすかったね。
太田:だから、おれみたいな生徒がいたら面倒臭いんだろうなと、逆に自分のことを考えちゃったね。
田中:そうだね。
太田:本筋とそれていく性質があるんだろうね、おれは。
田中:先生は本当に自分の専門の、ここで行くっていう感じだから。
太田:人から見たら、おれが「それはいいけどこっちは」って言うことは、本当に面倒臭いんだろうね。反省します。

ディレクター観戦後記

今回は何も飼育しておりません。なので…収録のときのお話です。
収録は予想外に盛り上がりました。予定していた収録時間を20分ほどオーバー。残念ながら放送できなかった話の中にも、かなり面白い話がありました。
ということで、今回の「観戦後記」は、こぼれ話集です。

1.太田さんの確率理論
…銀河系の中に、生命がいると考えられる惑星を持っている恒星の確率はおよそ10%と井田先生がおっしゃった時に、太田さんがこんな話を始めました。
「五つのお饅頭があります。一つは激辛のお饅頭です。五人が一つずつ順番に取っては食べます。そのとき、最後の人が一番不利だと思うんだよね」
これは太田さんらしい、小さな疑問も見過ごさない質問と思いました。と同時に、これはナカナカ難しい確率の問題です。五人が同時に取るならば、みんな等しく五分の一の確率で激辛饅頭を取ることになります。しかしこの場合は順番に取っていき、誰かが当たった(外れた??)時にゲームが終わります。それゆえ、問題を複雑にしています。
井田先生は「それは『条件付き確率』といって、きちんと計算しないとどちらが有利不利かはわかりません」と切り返しました。私はまさに科学者らしい返し方だと思いました。憶測だけで語っても結構盛り上がる話題だと思うのですが…
結局この話にはオチ?がつく前にまた別の話題に飛んでしまったということもあり、残念ながら放送には至りませんでした。
さて、「激辛饅頭ゲームは最後が不利」という「太田流確率理論」は正解なのでしょうか?もしお時間があるようでしたら挑戦してみてください。

2.のれん
…今回、爆笑問題のお二人は井田先生の研究室に入ったときに、あまりに「モノがない」ことに驚きました。科学者の一般的な「モノに埋もれて研究している」というイメージからかけ離れていたためです。
放送の中でご紹介できなかったやり取りの中で、「のれん」の話がありました。
番組をご覧になって、井田先生が映っている際に後ろに「のれん」がかかっていたことにお気づきになった方はいらっしゃるでしょうか?単なる壁に、のれんがかかっているのです。
爆笑問題さんも研究室に入った際にのれんに気づきました。この時には、「なんでこんなところにのれんがあるの?」と聞き、先生は「のれんが好きなので…」とお答えになり、収録時のやり取りとしてはこれで終わりました。
しかしこれは番組でもご紹介しておりますが、先生が「スペースシャトルには乗りたくない」とおっしゃり、さらに「自分の空想でどこまでも遠くにいけるので」と付け加えたシーンで、田中さんが「この研究室がそれを象徴していますよね」と返しました。
さすが田中さんです。井田先生は、あたかものれんの向こうに宇宙があるかのごとく明快に地球外生命の可能性をお話になります。先生の「何もない」研究室の中には実は未知なる姿であふれている。田中さんはそれを見抜いたのでしょう。
収録の翌々日、先生のご研究の姿を撮影しました。今回はプロジェクターを使用して、先生のPCの画像をリアルタイムで研究室の壁に投影してみたのですが、この時自分の中にあったのは、「この研究室が先生を象徴している」という思いでした。さて、その私の考えは、あの映像で上手く表現できたのでしょうか…?

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